AIで労働時間削減 阿部建設などが成果報告会

2022年05月13日 17時20分

阿部建設本社から取り組み内容を伝えた

 阿部建設(本社・小樽)などコンソーシアムは12日、「中小建設業のAI化による生産性改革の提言―書類削減の試行―」と題した成果報告会をオンラインで開いた。AI・IoTの活用で監理技術者の労働時間が減らせることを報告した。

 阿部建設を代表に環境風土テクノ、北大、立命館大、北海道産学官研究フォーラム、建設IoT研究所で構成するコンソーシアム。2021年度の国土交通省「建設現場の生産性を飛躍的に向上するための革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」に採択された。小樽開建発注の5号仁木町銀山大橋P5橋脚で、IoTなどを用いた労働生産性の向上を図った。

 阿部建設の佐藤昌宏土木部長は、試行工事での映像代用による監理技術者の負担軽減効果について説明。遠隔臨場に抵抗感を持つ技術者がいると分析し、その背景にはモニターの大きさや不安定な通信環境による映像の乱れなどがあるとした。

 同社は、ウエアラブルカメラのほか360度カメラ、ネットワークカメラ、スマートフォンカメラを複数台併用し、現場全体を確認できるように工夫。映像を確認するモニターも増やし、より臨場感あふれる映像を見られるようにした。

 翻訳レコーダーによる議事録要約自動作成、写真計測による3次元再構築、書類の作成を映像記録で代用するなど、AI・IoTを活用する試行に取り組んだ。

 この結果、監理技術者の労働時間を1日当たり2時間41分減らせることが分かった。佐藤土木部長は「負担軽減に有効で、実践できるものと期待する」と話した。

 このほか、推進室を設けてDXを積極展開する堀口組(本社・留萌)の湯浅勝典常務が自社の取り組みを情報提供するなどした。


関連キーワード: ICT 後志

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

  • 日本仮設
  • 北海道水替事業協同組合
  • 古垣建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (3,184)
おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,497)
交通体系整備を考える会、札幌外周高速道を構想
2023年06月20日 (1,425)
ヒトデ由来成分でカラス対策 建設業界に鳥類忌避塗料...
2019年06月28日 (1,373)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,334)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。