十勝の建築デザイン業界の魅力を「人間味あふれる」「楽しんで働いている」「人に寄り添った仕事ができる」と話すのは首都圏の大学に通う3人の学生。NPO法人ETIC(本部・東京)主催の地域実践型インターンシップで、業界の人材不足解決をテーマに調査した。21日に成果品となる22ページの冊子が完成。3人が感じた仕事のやりがいや十勝で暮らす魅力を詰め込んだ。

業界と十勝の魅力を詰め込んだ冊子が完成した
創造設計舎(本社・帯広)の浜野祥一副社長とコーディネーターを務めたCultura(同)がプロジェクトを考案。浜野副社長は「人材不足は厳しく、10年後には廃業する設計事務所も出てくる。十勝も建築デザインもそれぞれ魅力があるので、伝えるものを作りたかった」と話す。
参加したのは横浜国立大経営学部2年の徳永裕隆さん、東洋大国際学部国際地域学科3年の斎藤優奈さん、横浜市立大国際商学部3年の徳増伶太さん。建設業と接点のない3人は2月から帯広市など十勝管内に1カ月滞在し、建築デザインについて50人以上の関係者から話を聞いた。
冊子は設計事務所へのインタビューや十勝で生活して感じたことを盛り込んだ。徳永さんは「十勝の体験を最大限に詰めた。これだけで人材不足解消にはならないが、一つの糧になれば」とまとめた。
道の駅おとふけが印象に残った徳増さんは「少しずつ完成する様子が見られたのは良い経験」と話した。認定こども園の現場を見た斎藤さんは「子どもの年齢を配慮したデザインに人間味を感じた」と振り返った。
浜野副社長は「インターンは学生も企業も受け身になりがちだが、一つの課題解決へ主体的に取り組めるのが良かった。建築以外を学ぶ学生と接し、自分も今後の仕事で参考にできるスキルを学べた」と話す。
完成した冊子は取材協力者に配布し、今後は十勝管内の中高生に配ることも検討。インタビューの全文はSNS「note」で公開している。