耐震強化岸壁着工に備え 複合一貫輸送ターミナル整備の初弾
室蘭開建は、苫小牧港東港区浜厚真地区複合一貫輸送ターミナル整備の初弾となる海上地盤改良を6月中旬にも公告する。供用中の周文ふ頭第2岸壁南側に新設する水深9mの耐震強化岸壁施工場所が対象。岸壁本体は鋼管による矢板式係船岸で延長270m。同ふ頭の第1岸壁として2026年度の暫定供用を目指す。
現在、第2岸壁はフェリー2便が利用。秋田、新潟、福井県の敦賀を経由する大都市圏への物流ルートとして機能している。午後7時半に秋田・新潟行きが出港し、1時間後の午後8時半には敦賀発の便が到着する。午後7時半の便に間に合わなかったトラックは函館港まで走り、青森港行きのフェリーを使っている状況だ。
事業では発着するフェリーと、フェリーを利用するトラックによる複合一貫輸送の効率化を図る。岸壁不足を補うことでフェリーの出港時間を柔軟に調整し、トラックの輸送距離削減にもつなげる。周文ふ頭では初の耐震強化型岸壁で、22年度から27年度までの6カ年で総事業費145億円を投じる。
苫小牧港管理組合との分担施工。開建は岸壁本体、その前面の水深9m泊地1.4ha、岸壁背後の用地造成2.3haを担当する。管理組合は車両の待機場所となるシャーシヤード1.9haの整備などを進める。
岸壁本体の着工に備えた海上地盤改良には、サンドコンパクションパイル工法を採用する。着工に向けて公有水面の埋め立て申請手続きを進めている。