農業用ダム改修など対応

　留萌開建は、2021年度から羽幌町で進めている農業用ダム改修を含む羽幌二股地域の整備方向検討調査について、23年度の整備構想策定を目指している。22年度は、羽幌二股ダムや頭首工の劣化、河川流況の変化など、21年度の調査で判明した課題の対応に向け、施設計画の立案に取り組んでいる。

　調査の対象は、築別川沿いに広がる羽幌地区と羽幌川周辺に位置する羽幌二股地区。両地区を合わせた受益面積は1801㌶となっている。営農形態は水稲を中心としながらも、小麦や大豆などの作付けもしている。

　2地区とも直轄かんがい排水事業で実施した整備歴を持つ。羽幌地区では1953―66年度に羽幌ダムや築別頭首工、用水路と揚水機を新設した。羽幌二股地区は69―78年度に羽幌二股ダム、羽幌頭首工、羽幌幹線用水路を整備。事業完了から40年以上が経過した現在は、施設の老朽化が進んでいる。

　地区の安定的な営農形態を維持するため21年度から着手した調査では、公共転用などで減った受益面積、転作による水稲作付け率の減少などを確認。ダムの表面劣化や頭首工の部分的な傷みは施設の維持管理費増加も懸念される。雨量減少による河川の流況変化も対応が必要とみている。

　22年度は調査と並行して課題解決に向けた施設計画の検討を発注し、どちらも農土コンサルが担当している。

　22年度の施設計画検討を踏まえ、23年度は課題把握をさらに進めるとともに概算事業費などを含む整備構想の策定へと進む考えだ。