十勝管内で建設ディレクター導入の動き加速

2022年06月05日 10時00分

女性活躍推進に向けいち早く導入 村上土建開発工業

 建設業の新しい働き方として注目を集める建設ディレクター。現場の負担軽減や建設業での女性活躍につながることから、十勝管内の企業でも導入に向けた動きが加速している。管内でいち早く導入を進める村上土建開発工業(本社・音更)の取り組みを紹介する。(帯広支社・太田優駿記者)

建設ディレクターとしての活躍を目指す菅原さん

 建設ディレクター制度は2017年に創設。研修で知識を身に付けた職員が現場の書類作成など事務作業を支援する。現場担当者の長時間労働削減や研修・後輩指導に当てる時間の創出、多様な人材活躍につながる。女性が活躍する職場づくりを実現し、人手不足解消の一助となることが期待される。全国の建設業者で導入が進む。21年の全国建設青年会議で取り組みが紹介され、十勝でもことしから研修受講者が増えている。

 村上土建開発工業は19年、女性の活躍推進を目指し現場事務職を新設した。女性が結婚、出産を経ても建設業で働ける環境づくりと現場の負担軽減が目的。当時新入社員だった音更高出身の菅原優実さんを起用した。現場からは「ゆとりを持って仕事できる」「残業抑制に効果的」と好評を得た。

 これまでは先輩から指導を受けてきたが、全国建設青年会議で建設ディレクターの存在を知った。村上亙社長は「似たようなことをしていたが、より専門的な知識を身に付けてほしい」と研修を受けてもらうことを決めた。

 菅原さんは4月から週1回、積算や電子納品をテーマにした全8回、計46時間の初級講座をオンラインで受講。「3年間仕事してきたが、建設用語などあらためて勉強になることが多い」という。9日に修了予定で「新たな業務もこなせるようになって、現場代理人の負担を少しでも減らせる存在になりたい」と意気込む。

 同社には普通科高を卒業した2年目の女性社員が4人いて、今後の受講を検討中。多くの現場に導入する構えで、ことしも新卒の女性を採用する計画だ。

 村上社長は「時間外労働の上限規制見直しが24年度に迫る。建設ディレクターがいると、現場の労働時間削減や土日出勤をなくせる。会社として良い投資だ」と話す。

 沢田信幸副社長は「一般的な事務職と違い、いろいろな現場で仕事できる楽しみがある。見学に来た学生からも働いてみたいと言われることもある」と採用面での効果も実感する。


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