ニセコ周辺で移住・定住が好調 真狩村や蘭越町

2022年06月07日 17時05分

民間活力で宅地造成など 資材高騰し予算抑制も

 ニセコリゾートエリア周辺町村の移住定住策が好調だ。真狩村は市街地で分譲した村有地の完売を受け、社地区で民間活力を利用した宅地造成を開始。蘭越町は定住促進住宅の需要が高く、新たな棟に着工した。一方、資材高騰で関連予算措置の抑制を余儀なくされるなど、コロナ禍による影響が施策を阻害する事態も生じている。

真狩村ひかり団地には複数の新たな住宅が完成している

 真狩村中心部から近い旧農業改良普及所跡地。ひかり団地として分譲販売したところ、2021年9月までの1年半で全9画が完売した。村企画情報課の西田恵治課長によると、主に道内外の子育て世代や定年後の高齢層が購入。すでに半数の戸建てが完成したという。

 好調な売れ行きを追い風に、22年度は社地区での取り組みに本格着手する。敷地造成と分譲販売を条件に、民間事業者へ土地を無償譲渡する手法で、瀬尾建設工業を事業候補者として選定。月内に開く村議会第2回定例会の承認を経て着工する。

 蘭越町はさくら団地定住促進住宅の建設に力を入れている。町内業者から企画提案を募って施工者を決め、完成後に買い取るスタイル。21年度は初弾2棟4戸が完成した。若年世帯の入居希望者が多く抽選となったことを踏まえ、5月に3棟目に着工した。

 ニセコ人気の高まり、上昇する地価・家賃と比べ割安での供給が好調の背景にあるが、今後も取り組みが順調に進むかは不透明だ。

 蘭越町は22年度予算に、さくら団地1棟の買い取り予算として4400万円を計上。コロナ禍に伴う木材価格の上昇で、前年度と比べ25%高い水準だ。北川淳一建設課長は「当初計画していた2棟4戸の整備は見送らざるを得なかった」と話す。

 真狩村も施策を積極展開しているが、転出超過は続く。西田課長は「コロナ禍で外国人の移住が見込めないことも痛手だ」と嘆息する。

 定住移住の促進や人口の維持は、多くの自治体が総合計画に盛り込む重要施策。コロナ禍はその目標達成にさらなる高いハードルを与えている。


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