全道的な工事集中が影響か
留萌市は、留萌浄化センターにある最終沈殿池汚泥かき寄せ機の電気設備更新について、公募型指名競争入札で公告していた入札を中止した。市は入札契約の規定に従って参加申請した1者と月内に随意契約する意向。上下水道課は、全道的に上下水道施設の更新期に入り、工事の集中から業者が参加を見合わせたのではと要因の一端を分析している。
船場町1丁目54にある浄化センターは1992年に供用開始。最終沈殿池棟が入る水処理棟(延べ2417m²)と汚泥棟(延べ1116m²)、管理棟(延べ1822m²)で構成し、全てRC造、2階の規模からなる。
最終沈殿池の汚泥かき寄せ機の電気設備は、中央監視装置のソフト書き換えや補助継電器盤の更新などを計画。5月16日に公募型で公告し、参加資格は電気、申請を5月25日まで受け付けていた。しかし参加業者が1者しかいなかったため、市の規定により入札を取りやめることとした。
市では、21日に汚泥かき寄せ機の機械設備更新と監理の入札も予定しているため、電気設備は近く随契し対応を急ぐ。電気と機械を合わせた工事費には2億円ほどを試算している。
上下水道課の担当者は、入札中止の経緯について「全道各地で上下水道施設の改築や更新をしているため、業者が対応しきれないのでは」との見解を示す。全国的に資材高騰が問題となる中、現時点で工事費の増額には至っていないと、積算価格の不十分さには否定的。
工期は2023年3月までだが、半導体の調達難にも神経をとがらせ「受注者から申し出があった場合には対応が必要となるだろう」と話している。 (留萌)