夕張市は、2030年を構想期間とするコンパクトシティ構想をまとめた。市の中心部と位置付ける清水沢地区に、商業施設や市役所など公共施設を誘導するほか、若菜地区で運動公園の整備、紅葉山地区で道の駅と一体的な集会機能の整備などを推進する。いずれの地区も老朽化施設や利用が少ない施設の集約化を図る。
構想はまちづくりマスタープランや立地適正化計画で都市機能や居住を誘導する地区と定めた「若菜・清水沢・紅葉山」を生活の利便性の高い拠点とするため、公共施設の再編による拠点形成の具体化や、生活環境に応じた居住の充実に向けた方策を示している。
構想策定に向けては、市民会議での検討や居住の充実に向けたアンケートを実施したほか、地域の実情を把握するために実施した地域ヒアリングを参考にした。
拠点形成の具体化として、清水沢地区は「人を誘いにぎわいがある都市拠点」を目標に、市の中心としての機能を強化し、商業などの民間施設、未利用土地の活用推進、市役所など公共施設を誘導。全世代が集う憩いの公園整備や子育て世帯向けの住宅確保を図る。
若菜地区は23年度供用開始予定の市立診療所を核に「健康的で活気に満ちた拠点」と位置付け、運動公園の整備や集会施設の利用拡大・リノベーション、高齢者向け・子育て世代向け住宅確保・整備に取り組む。
紅葉山地区は国道、JR、高速道路ICの交通利便性を生かした交通機能の強化・充実に向け「地域産業・観光などを支える拠点」とし、道の駅の再整備や市内観光ネットワークを構築。道の駅と一体的な集会機能の整備や公園整備を図る。
いずれの地区も老朽化施設の集約化を図る考えだ。
居住の充実については、住宅施策で、市営住宅の子育て世帯向け改修や戸建て持ち家への住み替え支援のほか、市営住宅の高齢者向けグループホームへの転用や改修、民間賃貸住宅の建設促進補助、宅地分譲販売の促進(条件緩和)などを盛り込んでいる。