再エネ開発検討や電力融通 道内7空港を脱炭素化へ

2022年06月20日 08時00分

HAPが設備投資 新千歳で屋根に太陽光パネル

 北海道エアポート(本社・千歳、HAP)は、運営する道内7空港の脱炭素化に向けた設備投資を進める。各空港の立地を踏まえた再生可能エネルギー開発を検討するほか、空港間の電力融通を視野に入れる。コストなどを考慮して詳細を詰める方針だ。工事は2023年以降を見通す。

再エネ導入で空港の脱炭素化を進める

 7空港は21年夏、国土交通省が空港の再エネ拠点化・脱炭素化を検討するための「重点調査空港」に選ばれた。これを受けてことし2月、取り組み案の概要が同省検討会で示された。

 新千歳空港では空港周辺の未利用国公有地58haや、建物の屋根2haでの太陽光パネル設置を想定。施設の年間電力需要量の9割(約58MW)の潜在量があると推計する。

 帯広空港でも、農地として使われている空港近接の緑地管理地39haなどで最大限に太陽光パネルを置くと試算。施設年間需要量の26倍ともなる約23.6MWの潜在量があるという。

 旭川空港では近隣遊休地39haなどで最大23.3MW分の太陽光パネル設置を想定すると同時に、雪冷熱の導入も検討。現在の雪捨場に貯雪ピットを置いて融解水を集め、熱交換で得た冷水を夏季の冷房に使う想定だ。工事費は概算1億500万円、CO₂削減効果は年間110tと試算する。

 函館空港では地熱発電の導入を検討している。周辺の未利用地では約1000mの掘削で90度の熱水を得られると確認。低沸点の媒体を気化するバイナリー発電を想定する。出力18―28kW、工事費は概算2億4000万円、うち掘削費1億5000万円を試算する。CO₂削減効果は年間1194tの想定だ。

 稚内空港では風力発電の導入を想定。高さ制限を考慮し、出力3kWの小型風車6基の設置を検討する。場所はテニスコート713m²で、工事費は概算2200万円だ。

 7空港での電力融通も検討。太陽光発電の余剰電力を、系統を介して自家消費分の不足する別の空港へ送電した場合を試算した。7空港全体での再エネ化率を融通しない場合に比べて2%上乗せできるという。

 国交省も空港脱炭素化を積極支援する姿勢だ。施設の省エネ化や再エネ導入について、補助率50%以内の補助金を17日まで公募している。8月下旬以降に結果を通知する。空港カーボンニュートラル化の計画策定の補助事業は29日まで公募中だ。

 HAPの蒲生猛社長は補助事業への関心を示した上で、「北海道という土地柄、再エネ活用による空港のCO₂削減は必須だ。コスト的に苦しいところはあるが進めなければいけない」と強調。脱炭素化の設備投資に向けて、コロナ禍の厳しい経営状況でも前向きに取り組む姿勢を示した。


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