札幌市の発注4部局(市長部局、交通局、水道局、病院局)が2021年度に入札した工事のくじ引き発生率は前年度比4.2ポイント拡大の51.1%で、16年度以来の50%超となった。委託は横ばいの60.5%。財政局は下水道工種での増加傾向に加え、電気、管工種でも単価が公開されている土木系積算を適用する案件の増加が背景にあるとみている。
28日に市役所本庁舎で開いた22年度第1回入札・契約等審議委員会で報告した。
21年度は前年度比120件減の工事入札1101件のうち、1099件を制限付き一般競争で執行した。成績重視型は25件減の123件、総合評価は3件増の219件。委託は16件減の549件を制限付き一般競争で執行し、うち成績重視型は1件減の57件、総合評価は16件減の64件だった。
工事のくじ引き発生率を見ると、全工種平均は2年連続で上昇した。格付け7工種は土木が2.2ポイント、下水道が11.9ポイント、舗装が0.4ポイント、建築が0.2ポイント、電気が1.5ポイント、管が4.7ポイントそれぞれ上昇した一方で、造園が4.2ポイント縮小。その他が10ポイント上昇した。
土木系積算の案件は、単価を公開しているため最低制限価格と同額での入札が多く、くじ引きが発生しやすい傾向にある。市財政局は下水道工種で前年度比10%以上増え、最低制限価格と同額でのくじ引きも増加していることから、業者の積算精度が向上していると分析。加えて、電気や管工種でも土木系の積算を適用する案件が増えていて、くじ引き率を押し上げているとみている。
同局は新たなくじ引き対策として22年度から土木Bと舗装Aの計6件を対象に市況連動型失格判断基準を試行している。
委託は、測量が2ポイント縮小の76%、地質調査が横ばいの100%、設計が1.2ポイント上昇の51.7%。地質調査は前年度に続き100%となった。22年度も測量と設計で総合評価の試行を継続する。
平均落札率は工事が90.83%で0.38ポイント下降。舗装とその他が上昇し、土木や下水道、建築など6工種は下がった。
委託は83.23%で0.19ポイント下降。地質調査は81.09%で0.37ポイント上昇した一方、測量と設計はダウンした。