229号八雲町では土砂崩れ
28日夜から降り続いた大雨の影響で、29日に旭川市東旭川町倉沼のペーパン川の堤防が溢水により決壊した。一帯の農地や家屋が浸水し、地元建設業者が懸命の応急復旧に当たっている。八雲町熊石鮎川町の国道229号は土砂崩れと倒木撤去の対応に追われている。
道北の旭川市東旭川町瑞穂では29日、6月の観測史上最大となる24時間85.5mmの降水量を記録(午後4時現在)。大雨によりペーパン川が溢水し、瑞穂旭川停線早苗橋上流側左岸が浸水した。ペーパン川は2016年8月、18年7月にも洪水被害を出していて、現場付近は河川改修の最中だった。
住戸2棟や農地が浸水し、堤防の破断した箇所から河道内に内水が逆流する様子が見られた。上流の溢水で堤内に水がたまり、後背部から堤防や護岸を崩壊させたもようだ。
管理者の旭川建管が地元業者である新谷建設(本社・旭川)などに協力を要請。午後4時現在、旭川開建が派遣したポンプ車により排水作業が進められた。
現場は水流が強く、土のうによる応急復旧が困難な状況。新谷建設の担当者は「24時間体制で交代しながら作業するため、他の現場からも職員や資材を集めている。二次災害にも細心の注意を払う」と夜を徹しての作業に緊張感をにじませた。
旭川市内ではこのほか、嵐山展望台につながる嵐山公園道路1号線を含む市道3路線が大雨による路面・路体損傷で通行止めに。市道の維持業者などが復旧に当たる。
道南の八雲町内では、熊石地区で29日午前9時40分までの24時間雨量として130mmを記録。日本海側の国道229号熊石鮎川町では、沿道の法面の土砂崩れによって倒木が発生した。
木々が落石防護柵をなぎ倒して道路をふさいだため、函館開建は同日正午から800m区間を通行止めにした。維持管理を担当する東陽建設(本社・八雲)などが、電線に引っ掛かっている樹木を安全に配慮しながら撤去する予定だ。
八雲町の道道八雲北桧山線では、路肩が崩壊。せたな町後志利別川水系の丸山川分流堰が溢水し、農地が一部冠水する被害も出ている。