保護者にも説明し、就職後のミスマッチを防ぐ―。札幌電気工事業協同組合青年部は27日、札幌工高で電気科の生徒・保護者向け業界説明会を開いた。仕事内容や魅力などを伝えたほか、テーブルディスカッションでは保護者から働き方や給与などの質問に答えた。

保護者とのテーブルディスカッションの様子
青年部は電気工事士の高齢化や少子化に伴う将来的な不足が見込まれる中、教育機関と連携した取り組みを強化。生徒と保護者の双方に地域の暮らしや産業を支える業界の魅力を伝えている。
この日の説明会には生徒17人、保護者15人、青年部から岡田和也部長をはじめ26人が参加した。
HOKUSHINの新海剛取締役総務部長兼経営企画室長が、電気工事会社の仕事内容などを説明。現場施工や施工管理、設計・積算、営業の各仕事があることや、地域の安全安心を担い、電気工事士は一生使える資格であることなどを強調した。また、クイズを交えて業界の現状と仕事の魅力をPRした。
その後、生徒と保護者に分かれてテーブルディスカッション。2、3人程度のグループごとに部員が付き、質問に答えた。
保護者は「資格がなくても募集しているのか」「どういった種類の工事があるのか」「一年を通して仕事はあるのか」など率直な疑問をぶつけた。生徒からは、休暇など就業環境や現場での仕事内容に関する質問が出ていた。
最後に岡田部長は「きょうの資料や説明を今後の進路を決める家庭での話し合いの参考にしてもらえれば。電気工事士は業界にとっては重宝される存在なので、受験を後押ししてあげてほしい」と保護者に呼び掛けた。
札幌工高の中川利幸電気科長は「コロナ禍でインターンシップなども減っていて、直接、業界の人と触れ合う場面は少ない。仕事を肌で感じる貴重な機会」と感謝した。
参加した3年生の保護者は「親としても貴重な時間だった。業界や仕事のことを全く知らず、子どもが就職を考えているので、とても参考になった」と話していた。