大工育成・技能継承に注力 旭川建築協会理事長高嶋善昭氏

2022年07月06日 18時02分

資材高騰など苦境も団結して打開へ 技能協会と合併後の足固め

 5月30日の定時総会で旭川建築協会の新理事長に選出された高嶋善昭高嶋建業(本社・旭川)社長。旭川建築技能協会を合併した新体制について「今は足固めの時期」と述べ、大工育成・技能継承活動に引き続き注力する考えを示した。人手不足や資材高騰など住宅産業の苦境にも、団結して打開策を探る構えだ。(旭川支社・松藤 岳記者)

高嶋善昭理事長

 ―3月に技能協会と合併したが。

 元々は大工を雇用している立場として、技能協会で副理事長を務めていた。技能協会の会員減少もあって建築協会との合併をこの10年ほど話し合ってきたが、コロナ禍で協議が停滞していた。

 しかし、多くの会員企業が引退や廃業の見込みとなったことなどで議論が加速し、昨年夏ごろから新組織の体制や理事の選考を進めて合併に至った。

 技能協会の活動は変わらずに継続する。運営費助成や指導員を派遣している職業訓練校については、大工の技術を向上させるため重要な施設と位置付け、各社に積極的に送り出すよう求めていく。技能五輪など若手育成の取り組みにも注力する。

 技能協会青年部では伝統的な木造大工の技術である規矩術(きくじゅつ)の研究会を開いている。こうした自主活動も支援していきたい。技能協会の会員の多くは個人会員として、会費も企業会員より安くしている。

 とにかく今は足固めの時期だ。大きなことをやろうとせず、これまでの事業を守っていく。

 ―旭川の住宅建設事情はどうか。

 資材高騰の影響で非常に厳しい状況だ。全体の着工件数も減少していると聞く。ウッドショック以降、木材をはじめ、半導体、ボイラなどがことごとく値上がりし、戸建ての坪単価が10万円は上がった。稚内や名寄など地方はさらに運送費がかさみ、苦しい状況だ。

 会社によっては1件当たり400万―500万円も値上げしたところもある。戸建ては2500万―2600万円というのが相場だったが、今や3000万円の世界。自己資金のないサラリーマンでは手の出ない商品になってしまった。

 住宅産業全体が苦境に立たされている。行政には新規住宅着工を促す優遇制度を検討してほしい。

 ―今後、地域の工務店はどうなっていくのか。

 新築は確かに落ちているが、今のトレンドは既存施設の改修だ。戸建てのほかにも、介護施設などさまざまな施設が老朽化していて、リフォーム需要が見込める。

 ハウスメーカーが施工した物件で、営業マンの転勤によりアフターメンテナンスが適切にされず、改修の相談を受けたケースもある。自社でもこれまで施工した800―900件の持ち主を毎年伺い、水回りや屋根を改修するニーズがないか聞き取っている。

 建物が立っている限り、最後までお付き合いするのが筋。信用のある仕事が地元工務店の強みだろう。

 大工の高齢化と人手不足の影響で、一人親方もほとんど手いっぱいの状況だ。若手を育てる取り組みは1社だけではどうにもならない。合併した技能協会は歴史ある組織だ。知恵を絞り合い、新たな建築協会一丸となってできることを考えたい。

 高嶋善昭(たかしま・よしあき)1961年6月30日生まれ。旧北海道工業大卒業後、廣野組を経て高嶋建業に入社。旭川建築協会理事、旭川建築技能協会副理事長などを務めた。


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