札幌市市民文化局は2022年度、北や西、東、豊平の各区役所など7施設の構造体健全度調査に着手する。目視調査や詳細調査でコンクリートなどの健全度を調べる。その上で、改修が必要な場合は改修方法の検討と概算工事費の算出を進める。調査結果は基礎資料として今後の整備方針の検討材料とする考えだ。
市有建築物の資産管理基本方針を20年3月に改定。60年としていたRC造、SRC造などの既存建築物の標準目標耐用年数について、構造体の健全度、維持管理の状況、施設機能を総合的に勘案しながら80年を目指すとした。
市民文化局所管施設のうち、今後も長期にわたり使用する可能性があると判断したRC造、SRC造の建築物や、耐久性に影響を与えるような被災歴がない7施設を対象とした。東、西区役所はUR都市機構との区分所有となっている。
概要調査、目視調査、詳細調査を予定。詳細調査では鉄筋腐食度と鉄筋のかぶり厚さ、コンクリートの中性化深さ、圧縮強度を調べる。調査結果を踏まえて構造体の健全度を評価。計算式で中性化の進行を予測し、今後の使用適否を判断する。
区役所建て替えに関しては、周辺のまちづくり状況なども勘案して判断する方針。北区役所周辺は、経済観光局が札幌勤労者職業福祉センター(札幌サンプラザ)の今後の活用方針検討に向けて各機能の利用状況など基礎調査に入るほか、西区役所周辺では容積率緩和の動きが出ている。