都市構造転換へ機能集約 白老町の都市マスプラン案

2022年07月27日 16時00分

 白老町は、2041年度を目標年次とする第2次都市計画マスタープラン案をまとめた。コンパクト・プラス・ネットワーク型の都市構造に転換させるため、暮らしの場の近くにさまざまな都市機能を集約し、それらを道路や公共交通のネットワークで結ぶ。ハード整備を見ると、高速IC周辺への工業施設・流通業務施設集積や国道36号拡幅、鉄北幹線整備などによる交通利便性の向上を見込む。近く成案化する。

 都市づくりの理念は「戦略的な縮充による持続可能な都市づくり」。縮充は人口や税収が縮小しながらも地域の営みや住民生活が充実することを表す。

 基本目標は①便利と快適を実感できるコンパクトなまちの実現②豊かな暮らしを実感できる魅力・活力あふれるまちの実現③誰もが安全安心に住み続けられる自然豊かなまちの実現―の3本とする。

 41年度の人口を9615人と設定。コンパクト・プラス・ネットワーク型の都市構造を目指して、JR白老駅周辺を中心拠点、社台、萩野、北吉原、竹浦、虎杖浜の各駅周辺を地域拠点とし、国道36号、道道白老大滝線、道央自動車道、JR室蘭本線などの道路・交通ネットワークを連携軸に設定する。

 都市づくりの基本方針を見ると、土地利用は集約型に転換。鉄道駅などを中心に生活に必要な都市機能を集め、町民の暮らしの核となる拠点形成を図る。

 住宅系は市街地の拡散を抑制。災害リスクの高い地域からの居住誘導や土地利用の規制についても検討する。

 商業系は白老駅周辺を中心拠点ににぎわい創出を目指し、観光インフォメーションセンターの活用などによる道の駅の整備を検討。工業系は道央自動車道のIC有効活用の観点から、周辺への工業施設・流通業務施設集積を中心とした計画的な土地利用を検討する。

 交通系で国道36号の拡幅や鉄北幹線(仮称・苫小牧登別通)の整備を要望し、交通利便性の向上や災害時の安全な避難経路を確保する。

 都市防災では、災害リスクの高いエリアからの居住誘導などについて検討を進める。緊急輸送道路の耐震化やネットワーク化を推進して防災性を向上。津波浸水対策として津波避難ビルなどの計画的な整備や民間施設などの活用を図るほか、改築する町立病院の屋上を津波一時避難場所に活用できるようにする。

 地域別構想では、地域を「社台」「白老・森野」「萩野・石山」「北吉原」「竹浦・飛生」「虎杖浜」の6地区に区分した。

 社台は地域固有の美しい自然環境を守ることに配慮。鉄北幹線の整備を要望し、災害に強い交通網を確保する。白老・森野は中心拠点として都市機能を集約。白老駅周辺は商業業務地として交流人口を増やすための施設の立地・誘導を図る。公住緑ケ丘団地、西団地、美園団地の低層棟は建て替えを検討する。

 萩野・石山には産業拠点が立地していることから、石山地区の工業団地で工業用土地利用に特化したまちづくりを進める。国道36号の4車線化拡幅を要望し、公住旭ケ丘団地建て替えを検討する。北吉原は周辺の工業地と一体となった土地利用を推進。国道36号の拡幅も求める。

 竹浦・飛生は町の芸術・文化をけん引していることから、文化の向上や交流拠点の形成を図る。洪水被害の解消を図るため、敷生川の河口閉塞(へいそく)改善などを要望。虎杖浜では恵まれた観光資源を最大限に活用する。波浪・高潮被害を解消するため、虎杖浜海岸の離岸堤整備を関係機関に求める。


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