会社探訪記

 地域に根差した企業を不定期で紹介します。

会社探訪記 ビ・アール 基本に忠実な仕事ぶり

2022年07月29日 18時00分

快適な現場環境へ装置開発も

住宅から農業施設まで幅広い基礎工事に応える

 ビ・アール(本社・江別)は、住宅の基礎工事などを手掛ける専門工事会社。基本を大切にした仕事ぶりからハウスメーカーや工務店の信頼は厚く、最近は農業施設の仕事も受ける。職人向けに健康で快適な現場環境を作ろうと、生コン打設で不可欠な鉄筋の印付け作業を省力化できる「工事現場用レベルマーキング装置」の開発も急ぐ。

 佐藤欽一社長が2007年11月に設立した。もともと江別市内の基礎工事会社で19年ほど勤めていたが、事業主が高齢化を理由に廃業を決めたため独立を決意した。

 1967年2月、根室生まれの55歳。16歳のとき、現金3万円を握りしめて地元を離れ、土地勘のない札幌へ降り立った。中島公園そばのラーメン店にふらっと入り、食事後「自分を使ってくれませんか」と店の人に訪ねた。「うちは人手が足りているから」と、すぐに知り合いのすし店を紹介してくれた。

 母親を根室から急きょ呼び寄せて親子で店主と面接し、調理師の見習いとして下積み生活が始まった。あくせく深夜2時まで働いた後、閉店間際の銭湯に駆け込んで一日を終える日々が4年余り続いた。

 20歳のころ、職場の先輩に誘われて新店への移籍を決め、オープンまで1カ月ほどの休職期間を食いつなぐため、基礎工事会社でアルバイトした。すし職人に比べて給料が高く、定時の就業環境にも魅力を覚えた。建築職人としての第2の人生が始まる。

基本に忠実な仕事を心掛ける
佐藤社長

 39歳で起業。米国サブプライムローン危機が表面化した頃で、仲間からは「何も、こんな不景気なときに独立しなくても」と反対の声もあった。それでも「これ以上は悪くならないだろうから、後は上がるだけじゃないか」と前向きに捉えていた。

 最初は、どう金融機関から融資を受ければよいか分からず、「すぐ返しますから」と答えて苦笑いされるほどだった。それでも仕入れ先の営業担当者などが支えてくれ、当初から休みが取れないほど忙しく仕事した。

 会社名のビ・アールは、ベーシック(基本)の頭文字bと、土地面積の単位ARE(アール)の造語。社名に込めた基本に忠実な仕事ぶりで住宅基礎を真面目に作り、段々とハウスメーカーや工務店から支持されるようになった。最近は農業施設の仕事を依頼されることもあるという。

 基礎工事は、生コン打設前に高さの目安となる印を鉄筋に付けるが、腰をかがめた姿勢を数秒間保たなければならず、腰痛の危険やストレスと隣り合わせにある。佐藤社長は、長らく寄りそった現場の腰痛問題を解決したいと考え、レベルマーキング装置を開発しようと考えた。

 アルミ製のパイプに握り部分とマーキング装置を取り付け、ワイヤを介して鉄筋にレベル出しの印を付ける仕組み。立ったまま効率よくマーキングできるので、腰への負担がかからない。今後はよりスムーズな作動と量産化に向けたコスト削減が課題だという。

 創業当初の資本金は500万円だったが、昨年1000万円に増資した。「お客さまに満足な仕事を提供できる会社の所帯としては、今の売り上げ規模が上限。住宅や倉庫のS造から混構造まで何でもこなせるのが強み。これからも基本に忠実な仕事を心掛けたい」と話す。


会社探訪記 一覧へ戻る

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

北海道建設新聞社新卒・キャリア記者採用募集バナー
  • web企画
  • 古垣建設
  • オノデラ

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

川湯温泉で旧宿泊2施設を解体へ 弟子屈町と環境省釧...
2023年01月17日 (13,750)
星野リゾート、川湯温泉に高級リゾートホテル
2023年01月17日 (9,959)
帯広に日本最大級「5737コンナサウナ」 4月オー...
2023年01月27日 (5,270)
川湯温泉の再生を軸に地域活性化 弟子屈町
2023年01月20日 (4,300)
東川町天人峡温泉の再生始まる 6月にも廃ホテル解体...
2023年01月29日 (4,063)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 行政書士 new
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第27回「マネジメントの巧拙」従業員の意欲や士気を左右する、奥が深い業務です。

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第247回「冷え性」。厚着は逆効果の場合も。全身の血液循環を整えることが改善につながります。

連載 迫る巨大地震

迫る巨大地震
発生が危惧される巨大地震。釧根地域の防災・減災対策を検証する。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第28回「インテリア史の糸口」。椅子ひとつとっても誕生には様々な要因が。歴史は深く語るほど面白いです。