高橋重機興業が取り離し作業
赤れんがのシンボル「八角塔」、しばしの別れ―。国の重要文化財である赤れんが庁舎の大規模改修に伴い、八角塔の屋根が3日に庁舎から取り離された。クレーン作業は高橋重機興業(本社・札幌)が担当。市民に惜しまれながら取り離された八角塔は、2024年5月ごろに再び取り付けられる。
庁舎は、れんが造、地下1地上2階、延べ5004m²の規模で1888(明治21)年に完成。1968年の復元工事から50年が経過し、老朽化が進んでいるため、大規模改修を実施する。
取り離し作業は、7月末に八角塔の屋根部分を切断と縁切りし、屋根と建物の隙間に吊り上げ用の架台の挿入が完了。作業当日は高さ10m、幅8m、重さ約30㌧の屋根をクレーンで吊り上げ、庁舎東側の仮設見学施設に降ろした。
屋根は今後、板金のふき替えや、頂上のポールの劣化が見られれば補修などを行う。
同社の高橋悠太安全管理部係長は「歴史ある赤れんが庁舎の改修工事は一大イベント。その現場に関われるのは光栄なこと」と熱い思いを訴えた。2年後の再び庁舎に取り付ける作業では「見学施設から出す際に操作を間違うと鉄骨などに当たって塔に傷をつける可能性がある。難易度はとても高いが、気候状況を注視し、安全第一で作業に当たりたい」と話す。