地下資源イノベーションネットほか4者のコンソーシアムと契約 技術検証進める
三笠市は9日、石炭地下ガス化に関連する二酸化炭素(CO₂)地下固定研究のCO₂圧入実験で、NPO法人地下資源イノベーションネットワークを代表に、ファルコン、地圏総合コンサルタント、岩田地崎建設、応用地質の5者で構成するコンソーシアムと契約した。旧北炭幌内炭鉱の石炭採掘跡である幾春別層5番層の約400mの深部で、CO₂圧入技術を検証する。契約金額は5061万7000円(税込み)で、契約期間は11月末まで。
石炭地下ガス化に向けては、木質バイオマスのガス化を組み合わせた技術(H―UCG)で水素製造を研究。関連のCO₂地下固定研究は、水素製造時に発生するCO₂を地下に埋め戻し、固定する研究だ。
実験場所は弥生双葉町1で、同研究の掘削・地質調査は、NPO法人地下資源イノベーションネットワークとファルコン、地圏総合コンサルタントの3者によるコンソーシアムが担当。石炭層の場所や深さなどを調査して掘削した。ボーリングコア試料により、CO₂地下圧入実験は、深度402・78―405・25mに設定。孔明管から圧入する。
圧入実験は23日にも開始する予定で、①そのままの気体②CO₂を溶かしたマイクロバブル水③CO₂を混ぜたスラリー剤―の試料でそれぞれ検証。研究結果をまとめる。
役割分担は、NPO法人地下資源イノベーションネットワークとファルコンが全体管理や事務、地圏総合コンサルタントが地層の特性調査とCO₂圧入実験の支援、岩田地崎建設がCO₂を混ぜたスラリー剤の圧入実験、と環境モニタリング、応用地質がそのままの気体と、CO₂を溶かしたマイクロバブル水の圧入実験となっている。
脱炭素社会に向けた石炭地下ガス化の一歩となる実験。25日、26日には市民のほか、事業に賛同しふるさと納税をした企業や興味を持つ企業に一般公開を予定している。
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