ニセコ町は公住中央団地5、6号棟24戸の個別改善で脱炭素の取り組みを計画している。近隣の温泉施設から出る排熱の利活用や高気密・高断熱への改修を検討中。早ければ2023年度から年1棟ずつ施工する。総事業費は約2億5000万円としている。
中央通142の3にある中央団地は1―6号棟で構成。5、6号棟はそれぞれPC造、3階、延べ1185m²の規模で、各棟に3LDK12戸が入る。いずれも1990年に完成した。
築30年以上が経過。給湯設備が未整備なほか、外壁塗装の劣化などが見られるため長寿命化を図る。
脱炭素に貢献できる複合改善の検討と設計を23年3月22日までアーキシップアソシエイツで進めている。団地の約100m西側に位置する町営の「ニセコ駅前温泉綺羅乃湯」で排出する熱をヒートポンプ化し、給湯や暖房への活用を想定。外壁改修や内窓の更新で高気密・高断熱化も図る考えだ。
23年度の社会資本整備総合交付金1次要望に関連事業費1億1000万円を計上した。
町は18年にSDGs未来都市に選ばれたほか、20年にはゼロカーボンシティを宣言し、脱炭素の施策を積極的に展開している。
一方、取り組みに伴う事業費増には懸念がある。中央団地個別改善も総事業費は当初計画から増額となるもようで、黒滝敏雄都市建設課長は「導入の費用対効果を考慮し、十分に検討する必要がある」と話している。