音更町、企業から熱視線 店舗新設、宅地造成進む

2022年08月23日 17時20分

1年で100世帯増 地価上昇も

 車移動の便利さや町独自のアプリなど、町民満足度が高い音更町は、世帯数が7月末現在2万613世帯と増加傾向にある。商業、住宅地として人気が高まる木野エリアでは、需要を見越してイオン北海道(本社・札幌)などが複合商業施設「木野タウン」で新店舗の建設を進める。7月には高橋組(同・音更)が木野エリアの私有地を取得し、来春にも宅地造成に乗り出す。2022年1月1日付の地価公示では1地点で10%以上上昇するなど、住宅地としても価値を高める。(帯広支社・草野健太郎記者)

木野エリアには商業施設が多く並ぶ

 世帯数は21年7月末から22年7月末までに100世帯近く増加。ごみ分別や子育て支援をアプリで情報提供するなど自治体サービスが充実していることや、町役場のある本町地区から車で10分程度で商業施設が並ぶ木野エリアに着くなど、利便性が高いことが増加した要因と考えられる。これらの需要を見越して商業施設整備や宅地開発が進む。

 複合商業施設「木野タウン」は町内で不動産賃貸などを手掛けるソフトアイランドが開発する。ケーズデンキ帯広音更店が先行して出店したが、イオン北海道とマックスバリュ北海道の経営統合などの影響で動きが止まっていた。マックスバリュは萩原建設工業で建設が進む。ケーズデンキ帯広音更店の北側にはサッポロドラッグストアー(同・札幌)が佐藤工務店で店舗新築中だ。

 一方で、事業者の懸念も少なくない。スーパーなど商業施設は既に多くあり、店舗数が増えることで需要の奪い合いは必至だ。イオン北海道の担当者は「競争は承知の上。工夫して集客する」と話す。

 民間企業による宅地造成にも注目だ。高橋組が木野地区の私有地7400m²を取得し、20区画を整備する。国道241号の西側でやや高台に位置し、周辺は文教施設やDCMホーマック音更店、ハードオフ音更店などがある。高橋惇希常務は「日常生活に困らない優良な宅地」と期待する。

 民間の宅地開発は12年のひびき野以来となる。小野信次町長は「非常に魅力的な土地。地元企業の率先した取り組みは町の活性化になる」と話す。下口谷茂建設部長は「宅地不足が叫ばれる中、移住定住促進にもつながるのでは」と見る。帯広市内への通勤利用者も多く、町南部の緑陽台南区3の76は22年1月1日付の地価公示で10%以上伸びた。

 木野エリア以外に目を向けると、町は旧昭和小を改修してサテライトオフィスやコワーキングスペース機能を持った施設にする。道東自動車道音更帯広ICや道の駅おとふけの中間地点に位置し、商工業などと連携が図りやすい環境にある。町内で新商品開発、起業を目指す人向けにシェアキッチンを設けた。

 道の駅の集客も好調だ。道の駅おとふけは6日に1年間の来場者目標70万人を4カ月弱で突破した。小野町長は「想像以上だった。町民も多く通っていて、本当によかった」と喜ぶ。

 商業施設進出や民間宅地造成など話題が尽きない音更町。変わりゆく街並みに今後も目が離せない。


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