6系最終沈殿池の設備更新へ
旭川市水道局は、2023年度下水道事業の国費概算要望に19億300万円を積み上げている。前年度比で34.1%の減少で、下水処理センター汚泥焼却施設の整備完了の影響が大きい。工事の新規では同センター6系最終沈殿池設備更新、石狩川左9―1号幹線雨水排水路新設、末広東・西B地区汚水管更新などを盛り込んだ。委託では亀吉ポンプ場現地改築の詳細設計、下水処理センター耐震設計の着手を要望している。
総額のうち工事は47.8%減の13億4300万円、委託は78.2%増の5億6000万円だった。22年度は下水処理センター汚泥焼却処理施設改築の継続費を要望したことで大幅に工事費が増額した。
工事の内訳を見ると、処理場が6億円(73.5%減)、雨水が6億6800万円(2.3倍)、汚水が7500万円(5倍)という要望状況。雨水・汚水関連は新規事業を多く盛り込んで増額している。
処理場関連では、下水処理センター6系最終沈殿池の設備更新に3億7000万円を要望し、老朽化した沈殿槽の機器類を取り換える。旧汚泥焼却設備の撤去に1億2000万円、沈砂池から最初沈殿池をつなぐ沈砂池流出ゲートの交換に1億1000万円を充てる。
雨水関連では、継続の旧永山3号川上流1号幹線のボックス化に2億4300万円を措置。3.5×1.5mのボックスカルバートを75m設置して排水路の暗渠化を推進する。牛朱別川左1号幹線は、大正橋付近で直径1.2mの雨水管路130m新設に5000万円を充てて事業を終わらせる考えだ。
石狩川左9―1号幹線は中央橋通の永山北2条付近で直径2mの雨水管路900mを新設。初年度の23年度には50m分として1億円を要望していて、27年度の完了を目指す。忠別川左2―1号幹線では神楽地区の美瑛川合流地点付近で排水路流末整備150mに1億円を要望している。
石狩川左7―1号幹線はJR石北本線と宗谷本線の分岐点に流れる開水路をボックス化するもので、26年度の完了を予定。23年度は2×1.5mのボックスカルバート100mの新設に1億円を措置する。
東光川左1号幹線は河川改修に伴う吐き口新設に2000万円、東光川左5号幹線は東光地区の排水路新設150mに5500万円を充てて事業を完了させる考えだ。
汚水は2地区の老朽管更新に新規着手し、末広東地区250mに2000万円、西B地区350mに5500万円を投入。取り換えか管更生かは検討中だ。
委託は亀吉ポンプ場の沈砂ポンプ棟現地改築の詳細設計に1億2000万円を充てる。下水処理センターの施設耐震化に向けて、水処理施設に6000万円、管理本館に5000万円、脱水機棟に4000万円の設計費を措置するほか、ストックマネジメント計画も策定し長期的な維持管理に備える。
このほか処理場関係では同センターボイラ設備改築詳細設計、旭神汚水ポンプ場の耐震設計にも着手予定だ。
雨水では坂下天然川左1号幹線の調査設計、忠別左1―1号幹線の地質調査を推進。汚水では新旭川B地区の事業化に向けた老朽度調査、ストックマネジメント計画策定、東部・南部地区の老朽度調査にも着手する方針だ。