深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り ホームスター 植西晃典社長

2022年08月31日 12時00分

植西晃典社長

将来は札幌の士業とも連携

 住宅売買を中心に不動産を手掛けるホームスター(本社・旭川)は、営業強化の一環で札幌に新たな拠点を開設した。法律専門家らを交えて総合的に不動産売買をする「問題解決型不動産コンサルティング」で相続やM&A(合併・買収)をサポート。「正しい情報を正しく提供する」とプロセス開示の重要性を説く植西晃典(49)社長に札幌進出の狙いや方向性などを聞いた。

 ―不動産取引をはじめどのような事業を。

 創業してから旭川市内を中心に買い取りや中古住宅のリノベーションをメインにしてきた。もう一つの柱が不動産のコンサルティングだ。相続などさまざまなニーズがある。

 この10年間は本業のほか、ファイナンシャルプランナー(FP)や弁護士、税理士、司法書士、不動産コンサルタントと共に立ち上げた一般社団法人の「プロネットワーク5」の活動に力を入れてきた。無償の相談窓口を設け、任意売却や相続など市民の不動産に関する困りごとの相談にのってきた。

 セミナーなど地道な取り組みを展開したことで、毎日のように相談や査定の依頼が来るようになった。相続への関心も高まり、着実に浸透したと感じている。

 ―中古住宅の売買ニーズは。

 旭川市内では豊岡、東光などの住宅街は人気で土地がない状況だ。戸建ての新築も材料費の高騰や人手不足で3000万―4000万円と手が出しずらくなっている。

 しかし中古住宅であれば2000万円台と半値で取得が可能だ。しっかり維持管理された住宅であれば、水回りや設備関係を手直しすれば新築に劣らない。

 個人住宅は個別に状態が異なるだけではなく、親類との死別や離婚などさまざまな人生の節目で手放される。その際に値段だけを見て売った場合、課税や取り壊し費用などで手残りが減ってしまうこともあり得る。

 FPや士業の方と付き合いの深いわれわれは税や法的知識を生かして、ライフプランに沿った最適な提案ができるのが強みだ。単に高い値段を提示するのではなく、正しい情報を正しく伝えることで顧客に満足のいく決断をしてもらえると考えている。

 個人の不動産取引のサポート以外にも不動産業のM&Aにも取り組んでいる。跡継ぎのいない不動産業の資産引き受けや、個人地主で相続を望まないケースの資産整理といった需要は高い。

 ―7月に拠点を開設した札幌での商機をどう見るか。

 札幌も住宅需要は高く、中古も注目されている。これまでと同様、個人の相続を中心に相談にのってコンサルティングするのが基本になるだろう。

 全道の不動産情報が集まる札幌に拠点を置くことで道東や道南にも手を広げたい。自分が会社に常駐しなくても業務が回るよう人材育成にも力を入れてきた。

 将来的には旭川と同様、札幌の士業の方とも連携したチームを立ち上げて総合的にコンサルティングができる窓口を設けたい。大手では難しい細やかなワンストップサービスで顧客と信頼を築ければと思う。

 (聞き手・松藤岳、千葉有羽太)

植西晃典(うえにし・あきのり)1973年5月14日生まれ。旭川実業高卒業後、不動産業などに従事し2011年11月に同社を創業。一般社団法人を立ち上げて不動産の相談サービスなども展開する。

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