旭川工高の定時制に通う生徒たちが、新たにドローン部を設立した。道内の工業高校では初となる課外活動で、検定合格に向け屋内体育館で小型機を飛ばして操縦を学んでいる。顧問の湯川崇教諭は「建設業への就職にも生かしたい」と話していて、正式なカリキュラム化を目指している。
同工高は旭川に住むドローン操縦の専門家、請川博一氏の協力を得るなどして、無人航空機を授業に取り込む試行を始めた。正規カリキュラム化はできなかったものの、湯川教諭の働き掛けで建築・土木科の1、2年生4人が5月に部活を立ち上げた。
定時制の放課後は午後9時からと夜遅いが、部員たちは火、木曜日の週2回屋体に集まる。床に引かれたラインに沿って小型ドローンを飛ばす、パイロンを置いて旋回させるといった練習のほか、時に廊下のような狭い空間でも飛行訓練を積んでいる。
部員で2年生の菅上淳太さん(16)は4月に初めてドローンに触れたが、わずか4カ月で屋内なら自由自在に飛ばせるほどレベルアップした。「誘われて始めたけれど、面白くなって続けている。今は空撮や測量にも興味がある」と実践にも意欲を見せる。
部長を務める2年生の中浜聖也さん(16)は「建築や土木、設計の仕事に就きたい。将来の役に立つかもしれない」と仕事に生かす夢を抱く。ことしは操縦士の入門となるドローン検定3級の合格を目指していて「みんなで合格したい」と意気込む。
湯川教諭は「ドローンは今やどの建設関係の仕事にも浸透している。学校が社会に後れを取っているのが実態だ」と話す。「高性能な機体の導入や教員の教習免許取得など課題もあるが、生徒が卒業時にドローンの資格を取って卒業できるようにしたい」と正規のカリキュラム化にも取り組む考えだ。