新・水産物流拠点で活性化期待
歯舞漁港歯舞地区の高度衛生管理型施設が1日に供用を開始する。釧路開建が推進した人工地盤の整備に併せて、歯舞漁業協同組合が荷さばき施設や事務所を一体整備した。人工地盤は水産物の鮮度保持や品質管理に対応する屋根付き岸壁と駐車場、災害時一時避難場所の機能を持つ。地域の新たな水産物流通拠点として期待がかかる。

供用開始した歯舞地区の高度衛生管理型施設(釧路開建提供)
釧路開建は、屋根付き岸壁機能や駐車場などとしての機能を向上するため、歯舞地区特定漁港漁場整備の一環で人工地盤などの整備を進めている。
雨や鳥類のふんから陸揚げする水産物を守る衛生対策と、陸揚げ時などの流通効率化や混雑解消を図る。2014年から開始し、22年度に完了する見通し。21年度末時点での総事業費は52億6000万円に上っている。
歯舞漁協が建設した荷さばき施設と事務所などを集約した施設はSRC造、4階、延べ7075m²の規模。1階に市場、2階に市場事務所、3階に組合事務所やPR施設、昆布加工場、4階に防災施設を置く。
総事業費27億8000万円を投じて、18年度に設計を進め、19―21年度の3カ年で新築した。設計はぎょれんマリノサポート、施工は岩田地崎建設・渡辺建設工業共同体が担当した。
30日に供用開始記念式典を同施設で開いた。関係者や来賓合わせて約160人が参加した。神事を執り行い、繁栄を祈願。工事関係者らへ感謝状を贈ったほか、テープカットで施設完成を祝った。
歯舞漁協の小倉啓一組合長は「多くの人から支援と協力をいただき完成を迎えられた。気持ちを新たに複合的な機能を持つ施設を活用して、より良いサービスを提供できるよう努力する」と意気込んだ。
根室市の竹本勝哉副市長が石垣雅敏市長の祝辞を代読し「衛生管理や効率的な作業、巨大地震など幅広く順応した施設は水産都市・根室の地域活性化につながる」と期待を寄せた。