ウトロ漁港整備に62億円 網走開建が23年度着手計画

2022年09月14日 17時10分

用地不足解消へ新埠頭造成など

 網走開建は、直轄特定漁港漁場整備ウトロ地区の2023年度新規事業着手を目指している。現計画が23年度で終わるため、新たな計画地区の課題と対策案をまとめた。現計画で残す新橋架設や耐震強化岸壁整備に加えて、用地不足の解消に向け新埠頭(ふとう)を造成する考えだ。事業期間10年の総事業費は62億200万円をみる。

 第4種漁港のウトロ漁港はウトロ地区と知床岬地区の2港がある。このうち斜里町ウトロの市街地を形成するウトロ地区を対象とする。ウトロ地区は東側の第1港区と西側の第2港区で構成する。

 特定漁港漁場整備事業計画に基づき、02年度から新港整備を開始。現計画は17―23年度で、第2港区の静穏度向上を主軸に南防波堤延伸など外郭施設の充実を図ってきた。現計画が一区切りし、新たに漁船の大型化による用地不足など諸課題に対応できるよう計画を再編する。

 新たな対策案をまとめた事前評価内容は、7月の事業評価技術検討会を経て妥当と判断された。23―32年度を事業期間に、用地1万9000m²や南外護岸166m、マイナス4.5m岸壁100m、南防波堤150m、道路228mの新設などを進める。

 用地の新設は第2港区がメインで、道の駅うとろ・シリエトクの西側にある南護岸と国道334号に面する浅瀬が対象。新たに船揚場と作業用地を造成し、西端に南外護岸を設ける。北端には耐震強化岸壁のマイナス4.5m岸壁を配置。道路には液状化対策を施し、大規模地震時も船舶が入港できる体制を整えて地区の孤立化を防ぐ。

 第1港区でも用地を拡大する。東船揚場の一帯を改良、造成して作業用地とし、接岸部にはマイナス3m岸壁を配備する。

 このほか、ペレケ橋下流右岸の中護岸をかさ上げして荒天時の越波を防ぐ。さらに下流では、約70m離れた両岸をつなぐ新橋架設を予定。南防波堤は南側への延伸を継続して、新たな船揚場周辺の静穏度やサケ育成の環境改善に寄与する。

 事業費の内訳は、南防波堤延伸が11億9700万円で最も大きい。用地新設1万9000m²が11億8300万円、マイナス4.5m岸壁新設が10億2300万円と続く。

 今後、財務省が調査し、水産庁との協議を経て事業化の可否を判断する。


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