札幌市水道局は中高層建築物を対象とした2021年度の直結給水方式導入実績をまとめた。棟数は前年度を2.5%下回る627棟。6年連続で600棟を超えたものの、2年連続して前年度を割り込んだ。同給水方式が普及し、一服感が出ている格好だ。
直結給水は同局が推奨している配水管から直接給水する方式。水質保全や維持管理費用などの面でメリットがある。
21年度の導入内訳は新設が0.2%減の547棟、既設が15.8%減の80棟。同局は、物価上昇や18年の北海道胆振東部地震を受けた導入加速の落ち着きが減少の背景にあるとみている。
直結給水方式の中で、配水管の水圧のみによる直圧方式は0.8%増の466棟で増加に転じたが、既設は53.7%減の19棟にとどまった。20年度に市営住宅などの設備更新が多かったため、21年度は既設の棟数が減少した。
10階程度までの建物で利用し、給水管の途中に加圧するためのブースターポンプを取り付ける加圧方式は5.9%減の81棟で、既設は12.9%増の61棟だった。
戸建てなど低層建築物を含む全給水件数は、3月末時点で89万5453件。うち直結給水は88万5638件で、全体の98.9%を占める。受水槽などの貯水槽水道は1万2116件。いずれも受水槽・直結給水併用施設2301件を含む。
同局は、22年度も600棟前後の導入数で推移するとみている。