玄武岩でCO₂削減 松田砕石が研究開始

2022年09月28日 08時00分

岩石粉と反応、固定化し除去

 松田砕石(本社・七飯)は、採石場の玄武岩でCO₂を固定化する技術の研究に乗り出す。玄武岩に含まれるケイ酸塩は、CO₂と反応することで炭酸塩を形成し、土壌にとどまったり海に流れることでCO₂を自然と取り除く。研究では、道南地域で採れる玄武岩を粉砕・散布することで自然界の風化を人工的に促し、CO₂固定化の可能性を探る。大気中のCO₂を回収したり固定化する〝ネガティブエミッション技術〟の一つで、砕石業の未来を担う技術として確立させたい考えだ。

ネガティブエミッション技術の一つとして注目される玄武岩の風化促進

 ケイ酸塩を含む玄武岩は、風化による化学反応で大気中のCO₂を長いサイクルを掛けて吸収する。松田砕石はグループの鉄山協和組(本社・函館)の採掘場で採れる玄武岩を機械で粉砕して畑などにまくことで、人工的に風化を促進し、CO₂吸収のスピードを高められないかと考えている。

 大気中のCO₂を回収したり固定化することで排出量を正味マイナスにする〝ネガティブエミッション〟と呼ばれる技術の一つで、植林やCCS(二酸化炭素貯留)などと並ぶ。英国では玄武岩などの粉末を耕作地にまいたり、オーストラリアでは岩石粉を海洋散布して効果を研究している。

 玄武岩は火山の多い日本をはじめ、世界中で多く分布するため確保しやすい。農業は石灰の散布技術が定着しているため、岩石粉をまく際の初期投資を抑えられるメリットもある。一方でCO₂削減策として積極活用するには大規模な備蓄施設が必要となり、在庫や供給方法に課題がある。

 自然風化によるCO₂吸収量が年間10億tなのに対して、人工的な風化促進なら年間40万tを吸収できる可能性があるといわれている。日本は経済産業省がネガティブエミッション技術の一つに風化促進を掲げ、今後は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)を中心とした研究開発が加速する見通しだ。今後、松田砕石は道内の研究者や自治体と共同で研究開発を強化する意向だ。

 松田憲佳社長は「風化促進によるCO₂固定化は砕石業界のイメージ向上につながる。低CO₂コンクリートやCO₂吸収コンクリートへの採用も考えられ、業界の持続可能性や社会的評価の向上でも期待したい」と話している。


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