8月1日時点で35%
札幌市財政局工事管理室は、8月1日時点の市発注工事におけるゼロカーボンの取り組み状況をまとめた。施工成績評定の対象となる884件のうち、35%に当たる312件で実施・実施予定だ。土木と営繕で実施状況のばらつきが出始めているほか、営繕では既存施設の設備改修など導入が難しい現場がある。同局は取り組み状況の分析を進めている。
道内建設業で率先してカーボンニュートラルの取り組みを推進するため、札幌市、北海道開発局、道が連携し、2022年度から北海道インフラゼロカーボン試行工事を展開している。
発注工事のゼロカーボン推進に向け、市は4月に工事成績採点運用表を改定。4月1日以降に完成する工事を対象に、ゼロカーボンの取り組みを加点対象としている。
8月1日時点の対象工事は財政局や水道局、交通局を中心に竣工済み100件、未竣工784件の計884件。うち竣工済みは24%に当たる24件で実施し、未竣工では37%、288件で取り組む予定だ。
1工事で複数取り組むケースがあるため、延べ数で未竣工が651件、竣工済みが44件。取り組み内容を見ると「ソーラー発電の仮設資材」が249件で最も多く、「現場の夜間照明などにLED」が170件で続く。
このほか「現場事務所のLED照明」が86件、「工事看板・木杭などに間伐材使用」が60件、「低炭素型建設機械などの使用」が30件、「建設機械にバイオディーゼル燃料を使用」が27件だった。
発注者が費用計上していない遠隔臨場、ICT施工などのその他は30件となっている。
工事管理室では、受注者による積極的な取り組みに感謝する一方で、規模が小さい、工期が短いなど市発注工事ならではの課題も認識している。取り組み状況の分析を進めるとともに、開発局や道との情報共有を通じて今後の運用などを検討する考えだ。