総事業費15億円 23年度着工目指し来週にも基本設計公告
むかわ町は穂別博物館の建て替えを含む穂別地区の復興拠点施設等整備について、基本設計を来週にも公募型プロポーザル公告する。博物館周辺エリア再整備基本計画をベースに、博物館だけでなく穂別地区全体の再生を図る事業。中核となる博物館を含む復興拠点施設は2023年度に着工し、25年度の完成を目指す。復興拠点施設をはじめ全体総事業費に約15億円をみている。
町は18年3月に穂別博物館周辺エリアの再整備基本計画をまとめたが、北海道胆振東部地震の発生を受けて事業を一時中断。その後、胆振東部地震からの復興計画や第2次まちづくり計画、まちなか再生基本計画を策定し、博物館整備も盛り込んだ。
これまでの計画では博物館周辺エリアのみを再整備の対象としていたが、大幅に見直し、中心市街地を含め穂別地区全体を対象とした。
穂別地区では震災以降、高齢化の進展やコミュニティーの場の減少、スーパー撤退に伴う買い物弱者など多くの地域課題を抱えている。今回の事業を通して復興の拠点となる施設を再整備し、これら課題の解決にもつなげる。
施設は従来の計画通り博物館機能のほか、図書館、コミュニティー拠点、緊急避難場所の各機能を持たせることが必須。その他の地域課題に対応する機能については、プロポーザルで民間事業者から提案を求める。
建設地は、解体を予定する穂別地球体験館がある穂別79の5を有力候補とし、新施設は国内最大の恐竜全身骨格化石「カムイサウルス・ジャポニクス」(通称むかわ竜)などを展示できるスペースを確保することも条件となっている。
18年に策定した再整備計画では展示スペース約1000―1600m²(複数案)を示している。
町は9月の町議会定例会で施設の基本設計、エリアデザイン作成にかかる事業費として3000万円を補正措置。委託事業者を11月中旬に決定する。
年度内の基本設計完了後、23年度の実施設計、着工を目指す。25年度に完成させ、26年度に供用開始する予定だ。
整備に当たっては合併特例債や地方創生関連の交付金、企業版ふるさと納税などを活用し、約15億円の総事業費のうち、町の負担額は最大5億5000万円程度に抑える方針だ。
町は穂別地区での事業を整備事業Ⅰと位置付けていて、今後は鵡川地区を対象に整備事業Ⅱに取りかかる計画。鵡川、穂別両地区のまちなか再生を図り、町全体の復興、再生につなげる方針だ。