スマート農業を実証へ 伊達市とデンソーなどが連携協定

2022年09月30日 16時45分

 デジタルトランスフォーメーション(DX)で新たな農業モデル確立―。伊達市とデンソー(本社・愛知県刈谷市)、デンソーアグリテックソリューションズ(同・東京)は9月29日、農業による地域活性化に関する包括連携協定を締結した。デンソーが自動車部品製造で培った品質管理などの技術を生かし、3者がスマート農業、担い手育成、低炭素農業を実証する。

協定書を手にする左から菊谷市長、横尾経営役員、清水社長

 同日、伊達市役所で締結式を開き、菊谷秀吉市長、デンソーの横尾英博経営役員、デンソーアグリテックソリューションズの清水修社長が出席した。

 実証の拠点となる連棟ハウスを市が旧稀府小の校庭5000m²に建設中で、設計施工を公募型プロポーザルでデンソーアグリテックソリューションズに依頼したことが縁となった。ハウスは再生可能エネルギーを熱源とし、観測機器や監視カメラなどを遠隔で制御する計画だ。

 菊谷市長は「農地が余り、担い手がいない状況を改善するため、デンソーの支援を受けてIT農業モデル確立に取り組む」と述べ、担い手育成の新たな仕組みづくりに期待。作物栽培に適した温暖な気候も生かし、地域活性化を目指す考えを示した。

 横尾経営役員は「グループの2030年長期方針では環境と安全を大義とし、5月に定款変更して事業目的に農業を加えた。社会課題の解決へ培った技術を生かしたい」と話し、市側の熱意の大きさにも可能性を感じているとした。

 清水社長は「(デンソーグループは)各国に拠点を置き高品質、大量のものづくりを経験している。その技術で農業を変えたい」と表明。DXによる担い手の遠隔指導をはじめ、木質ペレットや太陽光、風力、温泉熱など再生可能エネルギー導入にも意欲を見せた。

 連棟ハウスは23年2月に完成する予定。実証を進めて伊達市発の新たな農業モデルとし、全道への普及を目指す。
(室蘭)


関連キーワード: ICT 地域振興 農業

ヘッドライン

ヘッドライン一覧 全て読むRSS

e-kensinプラス入会のご案内
  • web企画
  • 北海道水替事業協同組合
  • 川崎建設

お知らせ

閲覧数ランキング(直近1ヶ月)

藻岩高敷地に新設校 27年春開校へ
2022年02月21日 (2,988)
おとなの養生訓 第245回 「乳糖不耐症」 原因を...
2023年01月11日 (1,378)
おとなの養生訓 第43回「食事と入浴」 「風呂」が...
2014年04月11日 (1,326)
函館―青森間、車で2時間半 津軽海峡トンネル構想
2021年01月13日 (1,249)
アルファコート、北見駅前にホテル新築 「JRイン」...
2024年04月16日 (861)

連載・特集

英語ページスタート

construct-hokkaido

連載 おとなの養生訓

おとなの養生訓
第258回「体温上昇と発熱」。病気による発熱と熱中症のうつ熱の見分けは困難。医師の判断を仰ぎましょう。

連載 本間純子
いつもの暮らし便

本間純子 いつもの暮らし便
第34回「1日2470個のご飯粒」。食品ロスについて考えてみましょう。

連載 行政書士
池田玲菜の見た世界

行政書士池田玲菜の見た世界
第32回「読解力と認知特性」。特性に合った方法で伝えれば、コミュニケーション環境が飛躍的に向上するかもしれません。