初弾着工見送りで再度要望 掘削などに3.5億円
留萌建管は、遠別町のウツツ川で展開する総合流域防災について、2023年度の概算要望に3億5000万円を積み上げている。掘削1万3000m³や築堤などを進める考えだ。22年度に初弾工事を発注する予定だったが、予算配分されなかったため23年度で再度、要望を挙げている。
ウツツ川は天塩山地を源流とする2級河川。清川地区や啓明地区を流れ日本海へと注ぐ。
1961年から68年まで啓明地区と清川地区間で河道を掘削し、71年から97年までウツツ川河口と啓明地区間で堤防などを整備。しかし他の区間で改修をしていないため、流下能力不足が課題にあった。
特に2010年8月の豪雨被害では、農耕地111haが冠水する甚大な被害が発生した。同規模の水害対応を目指して19年度に事業化し、21年9月にはウツツ川水系の流域治水プロジェクトを策定した。
整備区間は八千代橋の下流1km地点からピシュクシュウツナイ川合流地点までの4.1kmとしている。
全体計画は掘削46万4000m³や築堤6000m³、護岸1800m²、排水8基など。総事業費は9億5000万円を試算し、28年度の完了を目指している。
21年度に22年度の初弾工着手を要望していたが、工事に関する予算配分がされず着工は見送らざるを得なくなった。そのため護岸や排水の設計といった委託業務のみを進めている。
23年度要望では掘削1万3000m³や築堤900m³、護岸200mなどの整備に2億8800万円を見積もる。着工時期は11月ごろを見込む。
委託関連は6200万円を計上し、24年度以降の整備に向けた設計や用地買収に取り組む考えだ。