道横断道2路線のルート案を社整審に提示 開発局

2022年10月14日 07時00分

概算事業費 女満別空港―網走間1050億円、蘭越―倶知安間最大1200億円

 北海道開発局は12日、札幌第1合同庁舎で社会資本整備審議会道路分科会の第31回地方小委員会(委員長・高橋清北見工業大教授)を開き、北海道横断自動車道の女満別空港―網走間、蘭越―倶知安間2路線の計画段階評価を実施した。いずれも第2回となる計画段階評価で、各路線で全線新設となる別線ルートと、一部現道を改良する2種類のルート案(対策案)を提示。蘭越―倶知安間の別線整備ルート案の概算事業費は、最大で1200億円となる見込みだ。

 道横断道女満別空港―網走間の対策案は、別線・市街地アクセスルートが概算事業費900億―1050億円を試算。全線新設で、延長約20kmの自動車専用道路(設計速度80km)となる。市街地の交差点を回避する自動車専用道路となるため、サービス速度を確保しやすいのが特長だ。提案するルート帯は現国道、市街地と近く、アクセス性や津波など災害時の代替性に優れる。半面、事業費は高価になる。

 もう一方は別線・一部現道改良ルート。女満別市街地端部に自動車専用道路(設計速度80km)を設ける。これより網走に向けては、現道の国道39号をかさ上げなどで改良し、速達性・安全性を確保(設計速度60km)。延長23kmの路線となる。概算事業費は750億―850億円に抑える。大部分が改良となるため、速達性は劣る。

 道横断道蘭越―倶知安間の対策案のうち、別線整備ルートは概算事業費は1000億―1200億円に上る。事業進行中の国道5号倶知安余市道路の仮称・倶知安ICから蘭越市街地まで、全て新設の自動車専用道路で整備。延長は約25km。浸水区域など現道の課題箇所を回避しながら、各市街地へのアクセス性に配慮。安全性、速達性、代替性の全てを確保する。

 現道改良・一部別線ルートは、仮称・倶知安ICから倶知安市街地端部までを自動車専用道路で接続。以降は現道改良を局所的に施し、速達性と安全性を確保するため、経済性で優位となる。概算事業費は900億―1050億円、延長は約28kmを想定している。

 会合では、それぞれの対策案について地域住民らに意見聴取することを委員が承諾。概略ルートなど対応方針決定までのプロセスを進めた。

 委員からは、道横断道女満別空港―網走間の別線・市街地アクセスルートについて「網走厚生病院から北見赤十字病院まで9分の短縮効果があるが、時間以上の効果が期待されている」と強調する声があり、有力だと示唆した。

 また、高橋委員長は「一部現道改良は経済面に注目されやすいが、工期の長期化や整備中の交通に支障を来たす面がある」と指摘。意見聴取では、別線整備と一部現道改良の特長の伝え方に留意が必要だとした。

 蘭越―倶知安間ではニセコリゾート付近に接続するICが整備されるもよう。委員からはIC設置箇所について、観光事業関係者のほか地域住民の意見も十分に聴取するように促す声が上がった。


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