24年度着工目指す
滝上町は、老朽化が進む国民健康保険診療所の改築を計画している。新診療所はRC造、2階を基本とし、一部木造や室内の木質化を検討する方針だ。建物面積は2000―2200m²を見込む。概算事業費は15億円で、2022年度内に基本設計に着手し、23年度の実施設計を経て24年度着工、25年6月開院を目指す。
サクルー原野基線13にある国保診療所はRC造、2階、延べ2606m²の規模で1975年に完成。町の財政支出に大きな影響を及ぼしていた病院事業の経営見直しが喫緊の課題だったことから、21年4月に一般病床19床に規模を縮小した。一般診療に加え、救急診療、健康診断などの業務を担っている。
築45年以上が経過し、町内の公共施設の中で最古。老朽化が著しく、運営にも支障が生じている状況だ。加えて16年の消防法施行令改正で25年6月末までに有床の病院、診療所はスプリンクラー設置が義務付けられた。
現施設のままでは運営が困難と考え、町は改築に向け基本構想を取りまとめた。今後も町民のかかりつけ医として日常的な疾病に対応した1次医療の確保に努め、関係医療機関との連携や訪問診療、在宅利用の推進に取り組む考えだ。
整備に当たっては、ユニバーサルデザインを採用し患者に分かりやすい施設配置とするほか、医療環境変化への対応や災害時の医療機能維持、省エネなど経済性を考慮する。病床数は一般病床19床を維持する。
建設地は現施設の前庭と駐車場の位置とする見込み。財源については国、道の補助金や過疎債といった有利な起債の活用を視野に入れている。