道内の老化社会が深刻 16市町で生産年齢人口上回る

2022年10月19日 08時00分

22年1月時点

 道内自治体の高齢化が進んでいる。2022年1月1日時点の年齢区分別の人口で、15―64歳までの生産年齢人口を65歳以上の高齢者人口が上回っている自治体が夕張市や芦別市など16市町あった。この状態を「老化社会」として見て見ると、21―22年の人口動態を基にした本紙の独自推計では23年に北竜町と白老町も老化社会になる。道や市町村は、1次産業従事者や税収の減少に直結する高齢化問題への対応に迫られる。(建設・行政部 小山龍、函館支社 鈴木楽、空知支社 室谷奈央記者)

 北海道全体を見ると、22年1月1日現在での総人口は518万3687人(外国人含む)で、21年の同日から4万5045人減った。

 15―64歳の生産年齢人口は295万9929人で全体の57%を占める。65歳以上の高齢者人口は167万4286人で全体の32%だ。残り約10%は0―14歳の年少人口で、1996年以降は高齢者人口が年少人口を上回り続けている。一般的に、高齢化社会は人口の7%以上が高齢者、高齢社会は人口の14%以上が高齢者の場合を指すが、本道の現状はそれを大きく上回っている。

 市町村では高齢化が一層顕著になる。夕張市は人口7055人のうちの生産年齢人口2877人に対し高齢者人口は3762人で、高齢者の割合が全道で最も高い53%だ。

 道南の乙部町も高齢化が進むマチの一つ。同町はことし、高齢者福祉の充実を目的に、老朽化した特別養護老人ホームおとべ荘の移転改築に着工した。ケアセンターや国保病院の至近に移転し、利用者を一体的にケアする。施設内にはAI搭載のカメラを設置予定。今後利用者の増加が見込まれるが、カメラで施設内を細かく把握できるよう業務の省力化を図る。

 現在は生産年齢人口の方が多くても少子高齢化の進行に伴い、老化社会となる可能性がある自治体も少なくない。本紙の推計では、23年に北竜町で10人、白老町で130人、高齢者人口が生産年齢人口を上回る。

 老化社会の市町が多い空知管内の沼田町では、市街地に医療、福祉施設を集約する農村型コンパクトエコタウンを掲げたまちづくりを行っている。今は生産年齢人口の方が多いが、高齢化加速を見据え医療と福祉の複合施設を拠点に若者から高齢者までが徒歩で生活できる街にする計画だ。

 9月には役場にほど近い市街地での高齢者住宅新築を入札。23年度の完成を予定している。

 道総合政策部地域戦略課の桑重理香課長補佐は道内の高齢化について「流れを止めるのは難しい。コロナ禍での出生数減に加え、高齢者の人口も一層減っていくことになると考えられ、危機感を持っている」と話す。

 道内の動向については「コロナ禍を契機に、道外者が移住してきている。U・Iターンを含め、人を呼ぶ施策が地域の好循環につながる」とみていて、サテライトオフィスやテレワークの基盤となる通信網の体制が整いつつある現状を好機と捉えている。


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