工事現場の雰囲気を、ユーモラスに表現した文具が人気を呼んでいる。現場でおなじみの「安全第一」「本日の作業工程」といったフレーズをはじめ、ヘルメットをかぶった人が頭を下げているイラストを付箋やマスキングテープにデザインしたものが店頭に並ぶ。デスク周りの演出やコミュニケーションツールとして道内文具店でも売れ筋商品となっている。
デスクワークで使われる機会が多い付箋には、背面の厚紙を組み立てると工事看板のようになるものや、タスク管理用として「本日の安全確認」と書かれたタイプがある。また、黒と黄色のトラロープ柄に「安全第一」の言葉を配したマスキングテープがラインアップされている。
これらの商品を開発したのは、グリーティング関連商品を企画・製造・販売する日本ホールマーク(本社・東京)。2020年3月に発売して好評だった「工事現場付箋」をリニューアルし、21年10月に「工事現場―現場文具コレクション」として発売した。
同社が着目したのは、ウィズコロナ時代の到来による対面コミュニケーション機会の減少だ。よりよいコミュニケーションのきっかけを生み出したいとの思いで商品化。「コミュニケーションを安全に誘導する」といった工事現場風のキャッチコピーで売り出した。
全国的に好評なシリーズとなり、このほど第2弾を発売。工事現場にありがちな看板や標識、現場監督風イラストを模したフレークシール、工事看板風デザインなどをしたポチ袋やミニレターセット、マグネット式クリップなどを新たにラインアップした。
MARUZEN&ジュンク堂書店札幌店では、1階文具フロアに現場文具コレクションコーナーを設置。第1弾は昨年の売れ筋商品となり、第2弾も引き続き入荷した。文具担当の小瀧未来さんによると、手紙やプレゼントとして購入する客が多く、マスキングテープは手帳や手紙をデコレーションする道具として使われているという。「かわいいデザインなので、社会人の20―30代女性が多く手に取っていく印象」と話す。
「ご協力お願いします」「ご迷惑をおかけします」といった現場で飛び交うフレーズは、幅広い職場でも使われる。何気なく見ている工事現場のデザインに、さまざまな可能性が広がっている。