企業滞在型交流施設「にっぽうの家」 宿泊以外でも町民交流の場に
上士幌町内の企業滞在型交流施設「にっぽうの家」のオープンから半年がたった。博報堂グループのスパイスボックス(本社・東京)が運営を担い、宿泊だけでなく交流イベントなどを企画。町内外から人を呼び込む施設として、隣接する道の駅との相乗効果を発揮している。ワーケーションやイベントを通じた関係人口創出に挑んでいる。
上士幌東3線229の73にある同施設は木造、2階建てで、東棟が延べ122m²、西棟が延べ111m²規模の2棟編成。南東に道の駅かみしほろが隣接している。定員は8人。道内初の無印良品の家として、家具や食器を無印良品の商品でコーディネートした。
町外からの利用は、IT企業のワーケーションや大学のゼミ研修などが大半を占める。町デジタル推進課とのプロジェクトを進めている事業者も宿泊している。1泊2日が多く、7、8月は1週間程度の中期滞在もあった。このほか、個人の観光客も受け入れている。
最多の集客を記録したのは、9月に良品計画が一日限定で開催した移動販売会の日だった。レトルトカレーなど120種、3000点以上を準備。開店前から客が並ぶなど想定以上に集まった。
道の駅に隣接する立地はメリットが多い。イベント時は道の駅の駐車場を活用し、不足分を補っている。現地責任者の本郷志貴さんは「国道241号沿いの道の駅が目印になり、初めて来る人でも施設を見つけやすい」とみる。
東棟1階と屋外はレンタルスペースで、町民も利用できる。地域おこし協力隊主催のイベントやヨガレッスンなどの利用があり、町民同士の交流の場となっている。
オープンから力を入れているのは、インスタグラムの更新だ。施設を知ってもらうため、イベントの告知や実況、地域の魅力を発信している。口コミを増やすには、定期的なイベント企画が重要となる。本郷さんは「冬にも町を訪れたくなるよう、これからもイベントなどを企画したい」と話す。