夜間除排雪の負担軽減へ
旭川市とサイバーセキュリティー企業のラック(本社・東京)は、東光地区除雪センターなど市内2カ所に積雪センサーを設置する実証実験に取り組む。除雪出動基準となる積雪深の確認を自動化し、夜間の除排雪業務の負担軽減につなげる考え。河川や急傾斜地にもセンサーを置き、監視作業の効率化を検討している。
同社はウェブのセキュリティーやシステム開発を中心に手掛けるIT企業。国のデジタル田園都市国家構想やスマートシティー化の流れを踏まえて、地域を災害から守るセキュリティーシステムの事業化へ向けた実証実験を2017年から進めている。
市では21年度からペーパン川上流のポンペーパン川に河川水位計を設置し、遠隔で水量を確認する検証を開始した。ペーパンダム周辺では崖崩れが起きたことから、斜面2カ所に傾きを検出するセンサーを設置している。
さらに、東旭川町にある土木事業所内にはレーザー式の積雪センサーを設置し、正確に積雪深度を計測できることを確認。今冬からは東光25条8丁目にある東光地区除雪センターにも積雪センサーを設置する。
市の除雪出動基準は幹線道路10cm、生活道路15cm以上で、積雪状況は市内に9つある除雪センターが目視で計測している。今冬は一定の積雪に達した場合、センサーが通知する仕組みを試行する予定だ。
市は今冬から夜間窓口を1カ所に集約して、夜間の人員配置を削減するといった業務効率化も試行する。土木事業所では「夜間業務の負担軽減につながるのでは」と期待する。
ラックはことし2月にテレワーク・コワーキングスペースを市内に開業し、市との連携を深めている。又江原恭彦新規事業開発部長は「今後は現地でデータを積み上げて将来予測などにもつなげたい」と展望を語っている。