粉砕処理目指し、効率的な手法研究
帯広工高は、流木の腐朽促進に向けて試験木を同校に近接する機関庫の川に設置した。北大農学部や寒地土木研究所などが協力。失敗した前回の試験木に代わる28本の木に腐朽菌を植え付け、川岸20m地点に置いた。1年おきに硬度などを測り、効率的な流木処理手法の開発につなげる。
2016年夏の台風災害で大量の流木が発生。放置すると洪水時にさらなる被害を招くため処理が課題となっていた。効率的な方法を編み出そうと、同校の岡本博教諭が環境土木科の課題研究に採用。17年から帯広開建や帯広建管、十勝川中流部市民協働会議の協力を得て調査を進めた。
腐朽菌となるキノコを植えて屋外環境下で観察。だが19年から始めた実験では別のキノコが生えるなど想定の結果を得られず、試験木32本を廃棄した。新たに十勝川と然別川の合流点から採取したエゾノキヌヤナギ28本に北大で培養したウサギタケなどの腐朽菌を種駒と噴霧で植え付けた。

ウサギタケなどの菌を植えた
9―11日に実施し、今回は2年生3人が研究に参加。中崎鐘琳さんは「先生の勧めもあってやってみたいと思った。無事にキノコが生えてほしい」と試験木を見つめる。岡本教諭は「生徒に課題解決能力を身に付けてもらい、土木や河川への関心を高めてもらえたら」と期待する。
寒地土研の布川雅典主任研究員は「幌延町の北大天塩研究林でも同様の実験をしていて道北と道東の比較も可能。重機でひいて粉砕できるほど柔らかくなれば」と話す。