
完成したプールを背に今後の展開を述べる中村社長
大歩(本社・函館)が新築していた水中ドローンの訓練施設が完成した。同社によると全国でも例が少なく、常設型の施設は道内初。水中ドローンの普及を後押しする。
同社は魚礁工事の海中調査などを手掛け、多くの潜水士を抱える。道内各地の海を潜り、潜水講習なども開催している。
施設はRC造、2階、延べ288m²の規模。自社施工で函館市港町3丁目5の19に建てた。日本政策金融公庫から新事業育成資金の融資を受けたほか、事業再構築補助金5000万円を活用した。
2階に設けた訓練用プールは横10m、縦6mの大きさ。練習時の安全性などを考慮し、水深は1・2mと4mの2タイプとした。
1日に竣工式を開き、水中ドローンの操縦や同社ダイバーが泳ぐ様子を地元企業関係者などが見学した。
中村徹也社長は「(建設を)やめようと思ったときもあった。でも年齢的にも最後のチャンスと頑張った」と振り返る。
また「ドローンは体が不自由な人でも操作ができる。体に優しい潜水作業があると知ってもらえたらうれしい」と話す。
今後、このプールを用いたドローン操縦教室を順次開く。消防署や漁業関係者などから施設利用の問い合わせが来ているという。
航空ドローン講習の開催も予定。ドローンのプロフェッショナルとして幅広く事業展開する考えだ。