深掘り

 地域経済の成長には、新たな技術シーズを生み出すだけではなく、その技術を発展させたビジネスの創出が欠かせません。〝勝ち〟にこだわる経営者らの発想やアイデアを紹介します。

深掘り 北海道コンフェクトグループ 長沼真太郎社長

2022年11月25日 10時00分

長沼真太郎社長

東苗穂工場の増強を構想

 北海道コンフェクトグループ(本社・札幌)は、きのとや、千秋庵製菓、Kコンフェクト、COC、ユートピアアグリカルチャーを束ねる持ち株会社として10月に設立した。洋、和菓子といった各社が持つ多数のブランドを発展させ、5年でグループ売り上げ100億円を目指す。東苗穂工場の設備増強や第2工場新設による製造ラインの強化を構想。放牧で森の再生を促す実証実験に携わるなど持続可能な企業活動でも存在感を示す。長沼真太郎社長(36)に狙いと経営戦略を聞いた。

 -5社が持つブランドをどう経営に生かすのか。

 COCが手掛けるSNOWSやユートピアアグリカルチャー(以下UA)のチーズワンダーなど、各社でヒット商品を連発している。中でもSNOWSは、2021年1月に生チョコをラングドシャクッキーで挟んだ「スノーサンド」を売り出したが、注文が殺到したため発売期間を延長した経緯がある。3シーズン目のことしは商品ラインアップを増やした。さらに販路を広めるため東苗穂工場の製造ライン拡大に加え、第2工場についても真剣に議論している。

 ユートピアアグリカルチャーのチーズワンダーに関しては週に1万4000個を販売している。21年2月の発売当初から20倍超に成長した。今後、販売数を増やすとなれば、生産体制を新たに整える必要がある。

 -10月から傘下に加わった千秋庵製菓とどのように連携するのか。

 千秋庵製菓の「ノースマン」に生クリームを加えた「生ノースマン」を10月に大丸札幌店で発売し、3週間で4万個を売り上げた。11月には期間限定で大丸東京店にも出店している。千秋庵製菓は北海道を代表する老舗。多数のヒット作を抱えているのが強みだ。今後もリブランディングや過去のヒット作を掘り起こす。和菓子のノウハウを得られるのも魅力的だ。

 -持続可能な企業活動として放牧にも力を入れている理由は。

 元々は高品質な原材料を手に入れたくて、新冠と日高で放牧式の牧場を始めた。菓子製造のほか、卵や牛乳としても販売した。牧場運営のデバイスを手掛けるファームノート(本社・帯広)に出資し、自社でも活用している。日本で牧場経営をする製菓会社はうちしかないと自負している。

 放牧が温暖化ガスオフセットとしても機能すると知り、10月から北大、ソニーと連携して札幌市中央区盤渓の牧場で林野の再生に関する実証実験をスタートした。鶏と道産子馬を放牧し、土壌の炭素量や窒素量を測定する。23年度からは牛も放ち、痩せた土地がどう回復するかを検証する。3年で牧草地、10年で山全体が再生すると踏んでいる。

 -グループの当面の目標は。

 次世代の北海道を代表する製菓企業グループを目指す。5社それぞれの法人が複数のブランドを所有することにこだわり、ニッチなポートフォリオを作って他社との差別化を図る。ただ業界では新ブランドが増えているため、競争力の維持が今後の課題。引き続き、他ブランドの買収も視野に入れている。

 いずれは全世界に流通する商品を育てたい。まず各ブランドの洗練に注力し、お土産菓子としての知名感を高めるのが目標だ。

 (聞き手・及川由華、武山勝宣)

 長沼真太郎(ながぬま・しんたろう)1986年札幌市生まれ。2010年慶応大卒。きのとや創業者の長沼昭夫氏の長男。丸紅を経て11年にきのとやに入社。12年に子会社としてBAKEを創業し、17年に同社を売却後渡米。20年にKコンフェクト取締役、ユートピアアグリカルチャー代表取締役に就任。22年10月から現職。

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