ロケット精密機械製造へ 釧路製作所が宇宙産業に参入

2022年11月28日 08時00分

航空宇宙関連の国際認証JISQ9100取得

 釧路製作所は、インターステラテクノロジズ(本社・大樹、IST)が開発を進めるロケット本体に搭載する精密機械の製造に乗り出す。25日に航空宇宙関連の国際認証であるJISQ9100を取得。本社の第2工場を精密加工部品専用にするため改修を進めていて2023年度に完成する見込みだ。

 同社は18年度からISTの小型ロケット開発に出資。これまでもロケットの燃焼実験に必要な縦吹き架台、防音壁の製作に携わってきた。19年の小型ロケットMOMOの打ち上げ成功にも貢献した。

 JISQ9100は、航空宇宙・防衛産業の品質マネジメントシステムに関する国際規格。航空宇宙・防衛産業で、部品調達の世界基準として採用されている。今後は、大樹町から車で2時間という好立地を生かし、ロケットや人工衛星の短納期で高品質な部品供給を実現する考えだ。

 第2工場はS造、平屋、延べ960m²の規模。総額約1億5000万円を投入し、ロケット部品を供給できる精密加工部品専用工場に改修して新たな機械を2機導入した。精密機械は寒さに弱く、室内気温を15度以上に保つ必要があるため、壁に断熱材を塗布。40㌧ある機械の重さに耐えられるように補強した。

 新たに導入したのは5面加工ができる門型マシニングセンタと、精密な測定と記録を可能にするワイドエリア3次元測定機。これらにより、設計書通りの金属加工を実現できるようになる。

新たに導入した門型マシニングセンタ

 さらに工場の奥に仕切りを設けて精密加工専用部屋にする。年内の完了を見込み、部屋ができた段階で部品のテスト加工を始める。

 一方、宇宙事業の一つとして、釧路地域の漁業へサポートするために衛星データの活用を検討。衛星データを基に海水温度を監視し、適切な漁場の特定とルート選定、魚群予測をする。高精度なデータ通信により漁業の活性化につなげる。

 技術グループの中川翔太主任は「宇宙産業に参入することで、道東の技術者の育成や、地場産業のレベルアップにつなげたい」と意気込む。


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