100―150人規模 日本・千島海溝地震に備え
白糠町は、日本海溝・千島海溝沿いの巨大地震に備え、西庶路地区で避難タワー新設を計画している。100―150人程度を収容できる規模を想定する。このほか、津波避難対策を強化するため、旧白糠小の改修と庶路地区での避難道整備を予定する。津波避難対策緊急事業計画として、関連費用を2023年度当初予算案に盛り込む考えだ。
町は3月に厳冬期の避難訓練を実施。国道38号から南側の庶路、白糠、西庶路の一部の地域で、地震発生から準備時間を含めて、20分以内に高台に避難できない恐れがあると判明した。
避難タワーは西庶路西1条南3丁目4の17に新設。23年7月に移転する役場庶路支所の駐車場を想定している。施設の詳細や整備スケジュールは未定だが、少なくとも基準水位を超える12m以上で100―150人程度を収容できる施設とする。
白糠地区では、旧白糠小の屋上を新たな避難先として整備。スロープを外付けし、校舎東側の高台にたどり付けない人の避難先として活用する。
庶路地区は高齢者が多く住んでいることから、体の負担になるタワーの設置は断念。そのため、避難艇の整備で対応する。
25、26日に開いた住民懇談会で棚野孝夫町長は「津波避難タワーの新設を含め、住民が安心できるよう新たな避難先の整備を進める」と話した。
住民からは「JR根室本線の踏切の幅が狭く、避難時に混雑することが心配」「足元の悪い山道を車いすでは通りにくい」などの意見が出た。
避難道の整備も含め対応策を年内にまとめ、関連費用を23年度当初予算案に盛り込む。日本海溝・千島海溝を震源とする巨大地震対策を強化する改正特別措置法の補助金を活用する。