コンドミニアムと開発行為で法定外税導入を検討 倶知安町

2022年12月01日 17時00分

 倶知安町は新たな法定外税の導入に向けた検討を進めている。町外在住者が所有するコンドミニアムなどに課す法定外普通税と、開発行為を対象とする法定外目的税について制度の大枠をまとめ、11月中旬に総務省へ説明。今後の方向性を中心にアドバイスを受けた。ただ、町内の不動産は形態や所有者が流動的で課税客体の定義付けが難しい。納税管理人を置かない外国人も少なくなく、実現には高いハードルがある。

町内でコンドミニアムが立ち並ぶ一角。
新税導入へ緻密な制度設計が求められる

 町は、ひらふスキー場第1駐車場再整備や山田地区水道施設増強といった大型事業に向け、財源確保が必要となっている。2021年9月にプロジェクトチームを立ち上げ、新たな法定外税導入について議論を進めている。

 町内のリゾート地区では、戸建てコンドミニアムや分譲ホテルを町外在住の外国人が所有するケースが多い。インフラ整備や維持の必要性が高まる中、住民税を納めている町民や法人との不公平感が生じないよう、これら不動産を所有する町外在住者に法定外普通税として課税したい考えだ。

 しかし、課税客体の明確な特定は容易ではない。町が固定資産税徴収の際に用いるデータは、建築確認申請時の「ホテル」「専用住宅」といった区分の登録で、コンドミニアムに該当するかは新たな精査が必要だ。物件が専用住宅から別荘のショールームになるなど用途の変更も頻繁にある。

 未納への懸念もくすぶる。海外在住者に義務付けられる国内納税管理人の設定は、必ずしも守られていないのが実態。未設定のため納付書を海外送付するケースは22年に約200件あり、「税を納めない事例もゼロではない」(税務課)という。

 11月11日の協議で総務省は町に対し、開発行為の事業者に課す法定外目的税も含め、課税目的をより明確にする必要性を指摘。課税対象者の線引きや特定方法でも不備を避けるため、条例制定前に同省と十分な協議を重ねるよう求めた。

 町は今後、有識者会議を設置し、専門家から意見を聞くなどして問題解決を図る考え。ただ、条例制定時期は未定で、当初町議会議員らが目指していた23年4月の施行は極めて難しい状況だ。

 リゾート開発の膨張で増大する行政需要。地域社会の持続的発展に向けた費用を誰が、どのように負担するのが適切なのか。倶知安町の事例は、外国人と共存しながらまちづくりを進める上での課題を浮き彫りにしている。


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