交通弱者解消などへ希望の光
上士幌町は1日から、道内初となる自動運転バスの定常運行を開始した。実施期間は2023年2月27日までで、自動運転車導入企画のBOLDLY(本社・東京)などが協力。高齢化などでバス運転手が不足する中、自動運転技術で地域公共交通の維持を図る。23年度に運行主任者の運転免許が不要となる自動運転レベル4の実用化を目指す。
町は交通弱者解消や観光客の移動手段を確保するため、自動運転バス導入の実証実験を17年から4回実施してきた。11月30日に町山村開発センターで導入セレモニーを開き、NAVYA社製の自動運転バス「ARMA(アルマ)」1台を披露。車両は町の特色やゼロカーボンを表現するカラフルなデザインを採用した。
定員は8人(乗務員除く)、最大時速20kmで運行する。バス停は道の駅かみしほろや病院など12カ所に設け、1周3.5kmとした。12月は木曜と土曜、1、2月は月曜と木曜、土曜、日曜に運行する。運行日以外はルート拡大に向けたマッピング作業を進める。
BOLDLYの佐治友基CEOは、20年に道の駅かみしほろがオープンするなど町内の行き先が増えていると指摘。「運行ノウハウを実用化に生かしたい」と意気込んだ。
自動運転バス公式LINEを開設し、運行情報などを定期的に配信。メニューから路線ダイヤと運行状況を確認でき、利用者の声を集められる。
竹中貢上士幌町長は「吹雪など北海道の厳しい環境で安全に運行できれば、全国に通用する技術が確立できるはず」と期待を寄せた。