函館市が大川団地最終棟 江差はコミュニティー施設
渡島・檜山管内で2023年度、公住を中心にさまざまな公共建築プロジェクトが着工する。函館市は大規模な市住建て替えの完了へ最終段階に入る。福島町は温泉や有害鳥獣処理施設など、町内の魅力アップや産業保護に向けた施策を展開。江差町では課題となっていた町中心部の商業ビル跡地で、土地活用の動きが出てきた。
函館市は市住大川団地新築の最終棟となる4号棟に着工する。市内4団地の住み替えを目的に、大川町12の38の旧大川中跡地に全4棟172戸を新築する事業。これまでに1号棟が完成した。
22年度は、21年度に着工した2号棟が間もなく完成するほか、最大規模となる3号棟に着手した。
4号棟は基本設計段階でRC造、5階、延べ3430m²の規模。42戸を配置する。他の棟と同様、23―24年度の2カ年で施工する計画だ。
渡島管内ではこのほか、福島町が23年度着工の建築プロジェクトを多数抱えている。吉岡温泉ゆとらぎ館の移転改築には5月ごろ着工する。
1994年完成の同温泉を現施設東側に移転する。日本工房がまとめた基本計画によると、W造、平屋、延べ822m²の規模。木質バイオマスボイラの導入など、環境負荷低減に力を入れる。総工事費は8億6000万円を試算している。
農作物の食害対策などを目的にエゾシカなどの有害鳥獣処理施設も新築する。6月にも入札する。捕獲した動物の解体処理作業の負担軽減が目的。労働環境の向上へ、臭気を抑えられる減容化処理装置を導入する。建設地は千軒31の1で、建屋はW造、平屋、延べ約200m²の規模。総事業費は1億2200万円をみている。
松前町は、黒毛和牛の繁殖経営の研修施設である肉牛改良センターで、賃貸型牛舎3棟と住宅1棟2戸を整備して事業を完了させる計画だ。
町内の新規就農者に貸し出す施設で、牛舎は1棟当たりW造、平屋、延べ1341m²、住宅はW造、平屋、延べ100m²の規模。設計費と工事費合わせて2億5000万円を投じる。
長万部町は、北海道新幹線札幌延伸の支障となる公住南部団地の移転改築を4月に入札する考えだ。温泉町と高砂町の2カ所に分けて新築する。
23年度は温泉町で4棟9戸の整備に取り掛かる。いずれもW造、平屋、延べ90―180m²の規模で、1棟当たり2―3戸を配置する。高砂町には13棟29戸で計画。23年度は土地造成や構内道路新設をする。
檜山管内では、長期間空き地だった江差町中心部の新地町5の江光ビル跡地が動く。町が仮称コミュニティプラザえさしを新築する。4億円を投じ、W造、2階、延べ425m²の規模で整備する。町民の交流拠点となる活動室やバス待合所などを設ける。6月にも主体、電気、機械の3分割で入札する。
上ノ国町は公住中崎団地建て替えに取り掛かる。23棟87戸のうち70年代に整備した19棟71戸が対象。総事業費は10億円以上となる見込み。23年度は初弾となる1―3号棟に着工。大留地区の中央公園を廃止して建設用地とする。