映文連アワード ソーシャルコミュニケーション部門優秀賞受賞
文化財を後世に引き継ぐ貴重な資料に-。重文旧函館区公会堂の保存修理を記録した映像作品がこのほど、映像文化製作者連盟が主催する映文連アワード2022の部門優秀賞を受賞した。市教育委員会文化財課では「工事が完了した現在は見ることができない貴重な記録。職人さんの優れた技術を映像で見てもらいたい」としている。
1910年完成の旧函館区公会堂は本館がW造、2階、付属棟がW造、平屋で延べ1900㎡。函館を象徴する歴史的建造物の一つとして観光スポットになっているが、老朽化進行のため2018-20年度で耐震補強を含む保存修理をした。
総事業費は10億6895万円。主体は高橋組・間建設・山七寺田建設・平谷折谷建設共同体、電気は梶原電気工業、機械は平和設備・昭和空調サービス共同体、防災設備は日東電気工事が担当した。設計は文化財建造物保存技術協会が担った。
映像は「文化遺産を守り継ぐ 重要文化財旧函館区公会堂 保存修理工事」と題する54分の作品。函館市が北海道映像記録(本社・札幌)に依頼して製作した。建設当時の建材を生かしながら、耐震化や長寿命化に挑む技術者、職人の高い技術力を伝えている。
コンクールには160の応募があり、32作品が入賞。教養を高めることを目的とする作品や社会性のあるテーマを伝える作品を対象としたソーシャルコミュニケーション部門での受賞となった。
17分に短縮した映像を公会堂で流している。受賞を機に市は、全編を収録したDVDの施設内での販売に向け調整を進めている。(函館)