建て替えと改修の両面から協議 25年度実施設計着手目指す
伊達市は、市役所本庁舎の耐震化へ4月に本庁舎整備検討委員会を設置し、建て替えと改修の両面から協議に入る。委員会は市内の団体や有識者、市民で構成。2カ年で結論を出し、2025年度の実施設計着手を目指す。本庁舎整備は日本海溝・千島海溝地震対策で策定中の津波避難対策緊急事業計画に盛り込む方針で、23年度予算案に関連費用を計上する。

検討委を設け、整備の議論に入る伊達市本庁舎
海岸線に沿って形成されている伊達市街は正面に噴火湾、背後に有珠山を抱える。老朽化した本庁舎の耐震化を進める上で、津波発生時は避難ビルからの一時退避受け入れ、有珠山噴火時には防災対策の拠点施設となる機能を求めている。
当初は耐震改修を計画していたが、強度を再検討する必要があるとして22年2月、菊谷秀吉市長が建て替えを含めて検討すると表明。ここ2、3年で庁舎を新築した岩見沢市、士別市、砂川市、新十津川町を視察し、各施設の防災対策や配置計画などを学んだ。
伊達市の庁舎は、1975年に鹿島町20の1に完成した本庁舎(RC造、地下1地上5階塔屋2階、延べ6160m²)、91年に建てた第2庁舎(RC造、2階、延べ2028m²)、2020年に耐震改修した大滝総合支所(RC造、2階、延べ1672m²)で構成する。
本庁舎は15年度にドーコンで進めた耐震診断調査で改修に10億円、建て替えに30億円と試算。市は現段階での精査はしていないが、資材価格が高騰する中で事業費が増大するとみている。整備には国の緊急防災・減災事業債を活用する考えだ。
現本庁舎は津波浸水区域外にあるが、建て替える場合は建設地から再検討する。配置計画について岡野淳総務課長は「分散型の庁舎とするよりは1カ所に置く方が望ましい」と話す。
23年度予算は4月の市長選を控えた骨格編成だが、検討関連費用は計上する考えだ。
P 検討委を設け、整備の議論に入る伊達市本庁舎