道IT推進協会
北海道IT推進協会は19日、2021年度の道内IT産業の推計総売上高が前年度から4.4%増えて5086億円になったと発表した。5000億円を超すのは1982年度の調査開始以来初めて。社会のデジタル化に合わせて道内外から受注が増えたことが要因。22年度はさらに3%強増え、5260億円程度になると予測している。
売上高は97年に2000億円を上回り、03年に3000億円、07年に4000億円を突破。リーマンショック後の3年間は低迷したものの、その後は右肩上がりの拡大を続けてきた。協会は、IT産業が道内主要製造業の出荷額に占める割合を9.2%とし、食料品に次ぐ第2位の製造業に成長したと指摘している。
調査は道内に拠点を持つ883事業所を対象に実施し、195事業者から回答を得た。このうち48%が資本金1000万―5000万円で、従業員数は45%が11―50人の規模。業務内容はソフトウエアの受託開発が52%と過半だった。
売り上げのうち63.1%が道内の発注元からで、道外は36.9%だった。20年度に比べて増収だったのは57%で、減収の29.6%を大きく上回った。特に売上高5億円以上の事業者では増収増益が半数を超えた。
増収事業者にプラス要因を複数回答で聞くと、道内受注量の増加が53.6%と最も多く、首都圏からの受注増も49.1%で続いた。新規顧客の開拓も30.9%あった。減収事業者にマイナス要因を聞くと、道内受注減64.9%、首都圏受注減22.8%で、人手不足を挙げる回答も26.3%あった。
業界全体の従業者数は2万3019人で前年度から1%増えた。女性比率は25.1%。新卒採用については、計画通りだった事業所が38.5%、計画未達が19.8%だった。一方で中途採用は計画通りが16.7%で、未達が40.1%と苦戦が伺えた。
1年間の離職率を尋ねると、28%が離職者ゼロと回答。半面、離職率が5%を上回った事業所も30.7%あり、職場によって状況が分かれた。