延命化改修はコスト見合わず 市教委が方針
旭川市教育委員会は、老朽化が進む市民文化会館について建て替えを基本とする方針を決めた。老朽化施設の延命化改修はコストと延命年数から現実的ではないと判断。今後は他施設との複合化も視野に入れつつ2023年度内に基本構想を策定し、建設場所や費用などを固める。
市民文化会館は1975年に7条通9丁目で供用開始。RC一部S造、地下1地上3階塔屋1階、延べ1万2394m²の規模で、耐震性能が不足しているほか、外壁や屋上の防水劣化、冷暖房など設備耐用年数の超過といった問題を抱えている。
14年度に老朽化対策の大規模改修に向け基本設計をまとめたが、工事費が24億円から35億円まで膨らんだため計画を凍結。22年度から市民や有識者からなる「旭川市民文化会館の在り方検討会」が対応に向けて話し合いを重ねてきた。
検討会では90億―100億円がかかる建て替えと35億円の大規模改修を比較。改修は20年程度の延命しか図れず、改修中に長期休業しなければならないことやユニバーサルデザインに未対応といった点からも現施設の継続使用は困難と判断し、建て替えが望ましいとの意見をまとめた。
全国公立文化施設協会の支援員にも施設状況の確認を依頼。延命化は築年が70―80年に達するため現実的でなく当面は改修で対応し、その間に現代の仕様に合った施設へ建て替えるのが妥当とアドバイスを受けた。
市教委はこれらの意見を踏まえ、建て替えを基本とする方針を決定。23年度はホールの収容規模や施設機能、建設場所、複合化の可能性を検討し、大まかな枠組みを基本構想としてまとめる。