大雪山国立公園のゼロカーボンパーク指定に向け検討へ
上士幌町は、地球温暖化対策実行計画案をまとめた。計画期間は2023―30年度の8年間。50年の温室効果ガス排出量実質ゼロを最終目標とし、役場庁舎のZEB化や公共施設のマイクログリッドを構築する。主要公共施設へ太陽光発電設備の導入や公住の断熱改修などを進める。このほか、大雪山国立公園のゼロカーボンパーク指定に向けて検討する。
町は22年4月の脱炭素先行地域の選定に伴い、電力削減や再エネ電力供給を推進。温室効果ガス排出量の基準年を13年度とし、30年度までに46%の削減を目指している。
公共施設の施策対象は39施設。このうち、役場庁舎や健康増進センターなど9施設が町内の温室効果ガス排出量の70%以上を占めるため、優先的にZEB化改修や太陽光発電設備導入を進める。
省エネを実現するため、25年度に着工を見込む役場庁舎の大規模改修ではLED照明や太陽光発電設備を導入。ZEB基準を満たす建物とする。公住は断熱改修でZEH型住宅とすることで消費電力を抑える。省エネ機器は電力消費が多い施設から取り入れる。
エネルギーの脱炭素化で、太陽光発電を活用した公共施設のマイクログリッドを構築。エネルギーの地産地消に取り組む。
町の自然と調和した施策では、大雪山国立公園について、国立公園で先行して脱炭素化に取り組むエリアであるゼロカーボンパークの指定に向けて検討し、サステナブルツーリズムを推進する。森林整備計画に沿った樹木の管理間伐や植林で、森林による温室効果ガスの吸収量を確保する。気候変動に対応するため、農地などの適正な保全管理を推進して土壌流出を防ぐ。
今後は、公用車の電気自動車(EV)導入に向けた急速充電設備の整備や公共施設への木質バイオマスボイラ設置、ぬかびら源泉郷の温泉熱活用を検討する。
パブリックコメントを2月7日まで募集し、年度内に策定する。